住宅ローン滞納時の督促状を放置は危険!払えない場合の対処法は?

住宅ローン滞納放置のリスク

自宅の購入後、経済状況が悪化して住宅ローンを払えなくなる方は少なくありません。この場合に催促状が届いても「どうせ払えないし」「経済状況が好転してから払えば大丈夫だろう」などと考えて放置してしまう方もいます。

では、住宅ローンの滞納を放置していると、どのようなことが起きるのでしょうか。滞納時の対処法も併せて説明します。

1.住宅ローンの滞納を放置した場合に起きること

住宅ローンの滞納は、放置せず早めに金融機関に相談することが大切です。では、無断で放置を続けた場合はどうなるのでしょうか。

(1)自宅に督促状・催告状が送付される

住宅ローンの滞納が続くと、まず自宅に支払いを促す書面が送付されます。書面の到着により滞納していることが家族に知られてしまう可能性もあります。

滞納初期のうちは、督促状や未入金のお知らせといった書類が送付されてきます。長期化すると、催告状が届きます。催告状は、支払いを促すと同時に「これ以上の滞納が続くと法的手段により回収を図ります」という旨の警告も兼ねており、最後通牒の役割を持っています

(2)ブラックリスト入りする

滞納が長期化すると、信用情報機関に事故情報が掲載されます。いわゆる「ブラックリストに載る」といわれる状態になります。

ブラックリストというと、「自己破産をした時に載るもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、住宅ローンの滞納が3か月~4か月続いた場合も、延滞情報の登録によりブラックリスト入りします。

銀行が登録する信用情報機関(KSC)の場合、延滞情報は最大5年間記録されます。この期間中は、新たにローンを組むことが難しくなるため注意が必要です。

(3)連帯保証人に支払いを請求される

親や親族に連帯保証人になってもらっている場合、迷惑がかかるのは避けたいという方は多いかと思いますが、住宅ローンを滞納すると、連帯保証人にも支払いの請求が届きます。

どのタイミングで請求が届くかはケースバイケースですが、法律上、主たる債務者(ローン契約者)が滞納を始めれば、債権者はすぐに連帯保証人に支払いを求めることが可能です。

(4)分割払いの権利を失う

住宅ローンの滞納が長期に渡ると、分割払いの権利を失います。法律用語では「期限の利益の喪失」と呼ばれます。住宅ローン契約時に「滞納時は期限の利益を失う」旨が条項に盛り込まれていることがほとんどです。

期限の利益を失ったタイミングで「期限の利益の喪失通知」といった書面で知らせが届きます。これ以降、債権者から一括払いでの返済を求められることになります。

(5)最終的には競売で家が売却される

債務者が期限の利益を喪失したからといって、そのままでは一括返済できないのは債権者も承知しています。ではどうするかというと、ローンの担保となっている物件を売却し、債権の一部だけでもまとめて回収しようとします。そのための方法が、裁判所の競売です。

競売は、所有者にとって精神的・経済的負担の大きな売却方法です。ローンを返済できないため売却は仕方ないとしても、より小さな負担で、有利に売却することが望ましいです。そのための具体的な方法は、後ほど紹介します。

(6)滞納から競売で売却されるまでの流れ

住宅ローンの滞納から、競売で売却されるまでは、基本的に以下の流れとなります。

  1. 督促状・催告状の到着
  2. 期限の利益の喪失
  3. 保証会社による代位弁済(債権者が保証会社になる)
  4. 競売開始決定通知の到着
  5. 裁判所執行官による現況調査
  6. 競売の期間入札通知(入札の期間の通知)の到着
  7. 競売の開始
  8. 開札
  9. 売却許可決定と代金の納付
  10. 明け渡し

進行の早さはケースバイケースですが、滞納開始から明け渡しまでは、おおむね10か月から16か月程度で完了となります。

2.住宅ローン滞納時の対処法

前述した通り、住宅ローンを長期間に渡って放置するとさまざまな悪影響があり、最終的には競売で自宅を売却されることになります。では、こういった事態を回避するためには、どのように対処すればよいのでしょうか。具体的な対策について説明します。

(1)最初に金融機関の窓口に相談する

住宅ローンが払えず滞納してしまった場合、まずやるべきことは、ローンを借り入れている金融機関に相談することです。

「相談しても早く支払うように促されるだけでは?」と思われるかもしれませんが、多くの金融機関は、早期に相談に訪れた債務者に対しては親切に対応してくれます。

特に、昨今は2021年から流行している新型コロナウィルスの影響で、経済状況が悪化している人が急増しています。金融機関を監督する金融庁も、金融機関に対して、やむを得ない場合は柔軟に対処するよう指導しているため、過度な心配は不要です。

一時的な返済の猶予や、月額を抑えたリスケジューリングを提案してもらえる可能性もあるので、滞納が長引かないうちに一度窓口に相談してみてください。

(2)家の売却を検討する

経済状況が悪化し、ローンを返せる見込みがないのであれば、家を売却し、売却代金で返済することを検討してみましょう。

売却代金で返済する場合、ローンの残債より売却代金が高くなければ、通常売ることはできません。まずは、不動産会社の査定を受け、現在の売却価格がどの程度なのか、おおまかに把握してみましょう。

また、インターネットの過去の売却データから、だいたいの売却価格を知ることもできます。国土交通省の以下のサイトから過去の売買情報を閲覧できますので参考にしてください。

参考URL:不動産取引価格情報検索-土地総合情報システム|国土交通省

(3)オーバーローンの場合は任意売却も検討

「住宅の売却を検討したけれど、売却価格が残債より安いので売れない」という場合でも、競売を回避できる可能性はあります。残債が売却価格を上回っているオーバーローンのケースでは、任意売却を検討するとよいでしょう。

任意売却とは、オーバーローン状態で返済を滞納している時に、競売以外の方法で家を売却することです。通常の売却とは違い、債権者の許可が必要ですが、競売より有利に売却できます。

3.住宅ローンを払えないときの任意売却とは

前述した通り、住宅ローンを払えず、オーバーローン状態の場合は、任意売却により競売を回避できます。任意売却について詳しく説明します。

(1)任意売却のメリット

任意売却には、競売にはない以下のようなメリットがあります。

①売却価格が競売より高い

任意売却の価格は、競売より高くなるのが一般的です。100万円以上差が出ることもあります。

競売の売却価格が安いのは、競売では買主側にさまざまなリスクが発生し、その分が入札の基準価格に反映されているためです。任意売却は、一般市場で売却することが多いため、相場に近い価格での売却が期待できます。

売却価格は、売却後の残債の金額に直結するため、高く売れることは所有者にとって大きなメリットです。

参考記事:競売と任意売却の価格差は?競売の方が安くなる理由も解説

②住み続けられることがある

競売に対して多くの方が抵抗を感じる点の一つが「住み慣れた家から追い出されること」ではないでしょうか。任意売却の場合、売却先を親族やリースバック会社にすることで、住み続けられることがあります

家が他者のものになることは避けられませんが、引越しを避けたい方にとって、今の家に住み続けられることは大きなメリットといえるかと思います。

③売却代金から一部費用を捻出できることがある

競売で売却すると、売却代金は直接債権者に支払われるため、債務者の手元には残りません。引越しや税金の滞納などに費用がかかる場合も、別途自分で捻出する必要があります。

任意売却であれば、売却代金の一部を手元に残せることがあります。債権者の同意が得られる場合に限られますが、苦しい経済状況の一助となるでしょう。

(2)任意売却ができないケース

オーバーローン状態で競売を回避するのに有効な任意売却ですが、実はどのようなケースでも可能なわけではありません。具体的にどのような場合に任意売却ができないのでしょうか。

①債権者の同意が得られない

任意売却では、債権者に担保物件の抵当権を解除してもらわなければ売却ができません。そのため、売却には債権者の同意が必要となります。
最終的な売却価格などが理由で同意が得られない場合、売却できない可能性もあります。

②売却活動のための時間が少ない

売却活動のための時間が十分に確保できず、買い手が見つからない場合も任意売却はできません。任意売却は競売と同時進行するため、債権者の一存で取り下げられる「開札期日の前日」までに、売却を完了する必要があります。

開札の結果により買受人が決まってしまうと、任意売却は強制終了となり、競売で売却されてしまいます。そのため、早めに着手することが重要です。

③共有者(共同名義人)が同意しない

家が二人以上の所有者がいる共有名義になっている場合、共有者全員の同意が必要です。誰か一人でも同意しないと、任意売却はできなくなります。

特に、夫婦で住宅を共有名義にしたまま離婚したケースなどでは、同意の取り付けが難航することがあります。

(3)任意売却の相談先は?

前述のように、任意売却は状況によって売却できないケースがあります。こういった事態を回避するために、任意売却を専門的に扱う不動産会社への相談をおすすめします。

任意売却は通常の不動産売却と比べて特殊な業務が多く、一般的な街の不動産会社では対応しきれません。任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社であれば、関係者間の調整や仲立ち、債権者との交渉など、専門的な業務もスムーズに行うことが可能です。

4.まとめ

住宅ローンの滞納状態を放置することにはさまざまな弊害があり、最終的には競売で物件を売却されてしまいます。返済が難しい場合は、早めに借り入れ中の金融機関に相談することが大切です。

金融機関で返済の猶予や減額をしてもらっても支払いが難しい場合、任意売却を検討してもよいでしょう。競売と比べて有利かつ負担の少ない売却方法で、状況によっては住み続けられることもあります。

当社は、3,000件以上の相談実績を持つ、任意売却の専門会社です。法律の専門家と連携しており、任意売却後の残債処理まで含めた、生活再建のサポートを提供しています。「競売だけは回避したい」「住宅ローンを払えないけれど、今の家に住み続けたい」など、さまざまなご相談に対応しておりますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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