老後の住み替えはいつから検討すべき?住み替え先の選択肢や資金調達方法を解説

老後の住み替えはいつから検討すべき?住み替え先の選択肢や資金調達方法を解説

年齢を重ねて身体機能が低下したり、同居家族の人数が減ったりしたときに、今の自分に合う住居に住み替えることを希望される方は少なくありません。住み替えにはさまざまな方法がありますが、どうすれば自分に合う家に住み替えられるのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、老後の住み替えを検討している方に向けて、住み替え先の選択肢、資金調達の方法、注意したいポイントなどを解説します。

1.老後の住み替えはいつから検討する?

住み替えを検討するべき時期は人によって異なります。一般的には、身体機能の低下やライフスタイルの変化をきっかけとして住み替えを考え始める人が多いです。住み替えのきっかけとなることが多いポイントについて説明します。

(1)通勤を気にする必要がなくなる退職後

通勤のしやすさを重視して職場の近くに住んでいた方の中には、退職を機に住み替えを考え始める方もいらっしゃいます。日常生活の中から「通勤」という要素が消えると、立地や住環境が合わなくなることがあるからです。

職場のある都市部のマイホームで暮らしていたけれど、退職後はより落ち着いた雰囲気の郊外や地方に引っ越すというパターンも多いです。

(2)身体機能に不安を感じた頃

加齢とともに身体機能が低下し、生活に不安を感じたことで住み替えを検討し始める方も多いです。歩行機能に不安が生じたことや、病気で車椅子生活を余儀なくされたことがきっかけで住み替えを検討される方もいらっしゃいます。

このような場合、日常生活に必要な移動距離が短い小さめの住宅や、バリアフリー仕様の住宅、階段の昇降がない平屋などが住み替え先の選択肢となります。

(3)家の老朽化が進んだ頃

家の老朽化が進み、快適に住み続けることが難しくなった頃に住み替えを検討される方も多いです。

例えば、親の代から受け継いだ古い家で傷みが激しい場合、リフォームに建て替えと同じ程度の高額な費用がかかることもあります。このような場合、家を売って住み替えた方が、費用を抑えられることも多いです。

(4)終活を始めた頃

終活を始めて、自分の死後に自宅の処分を家族に任せることに不安を感じたことが、住み替えを検討するきっかけとなることがあります。

特に、家の相続に対する懸念から、住み替えを検討される方は多いようです。自分の死後に相続人が家を巡って争うことが心配な場合、自宅を分割しやすい現金に換えておき、賃貸住宅を終の棲家とすることも選択肢の一つとなります。

2.老後の住み替えの選択肢

住み替えを検討する際、重要な問題となるのが「どこに引っ越すか」です。これにより、必要な費用や手続きの手間なども変わってきます。老後の住み替え先にはそれぞれ異なる特徴があるので、特徴を理解した上で自分に適した住宅を選ぶことが大切です。

(1)よりコンパクトな住宅に買い換える

一つ目の選択肢となるのが、今の家よりコンパクトな家を購入することです。

現在暮らしている自宅がファミリー向けの間取りになっている場合、老後の夫婦二人の生活や一人暮らしには広すぎると感じる方も多いです。家が広すぎると掃除などの負担も大きくなるため、家をサイズダウンすることは理にかなっているといえます。

ただし、新たに家を所有することになるため、ご自身の死後の家の処分について考えておく必要があります

(2)賃貸のマンションやアパートに引っ越す

持ち家を処分し、賃貸物件に引っ越すことも選択肢の一つです。
持ち家とは違い毎月の賃料がかかりますが、家を所有することによる税金や家の修繕に対する費用はかかりません。住環境に問題が発生したときや、経済状況に変化があったときは随時引っ越すことができることも賃貸住宅のメリットです。
ただし、賃貸住宅のオーナーの方針によっては、高齢者の入居に難色を示されることもあります

(3)高齢者向け住宅に引っ越す

身体機能の衰えに不安を感じている場合、高齢者向け住宅への住み替えも選択肢の一つです。
高齢者向け住宅とは、高齢者に配慮した賃貸住宅のことです。バリアフリー仕様の住宅や、見守りや生活相談・軽度の介護支援などのサービス付きの住宅もあります。老人ホームとは違い、一般的な賃貸住宅のように賃貸借契約を結んで入居します。
検討する際は、複数の住居の立地や付帯サービスの内容を確認し、比較するとよいでしょう。

(4)今の家をリフォームして住み続ける

住み替えではなく、今の家をより住みやすい形にリフォームすることも選択肢の一つです。
例えば、家の中の移動が楽になるようにバリアフリー仕様に改装する、広い家を子世帯と同居できるよう二世帯住宅化するなどの方法があります。
家をリフォームする場合、自治体が用意している各種補助金を利用できることもあります。

3.老後の住み替えで無視できない資金調達手段

家の住み替えには、少なからず費用が発生します。貯金にあまり余裕がなく、費用を支払えるか心配だという方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合に利用できる可能性のある資金調達手段について説明します。

(1)現在の自宅を売却して資金を得る

現在住んでいる自宅の売却が可能な場合、自宅を売却すれば、住み替えのための資金を確保できます。

自宅を売却する際に注意したいのが、「新居の確保が先か、自宅の売却が先か」という問題です。売却してから予算に合わせた新居を探す場合、新居が見つかるまでの間に住むためのつなぎの住宅が必要となります。一方、新居への引っ越しを先にする場合、新居にかかる費用を別途工面しなければなりません。
経済状況や売却時期などを考慮して、売却と引っ越しのどちらを先にするか慎重に決めましょう。

(2)リバースモーゲージを活用する

リバースモーゲージを活用して新居を確保するという方法もあります。
リバースモーゲージは不動産担保ローンの一種で、シニア層を対象とした商品です。死後に不動産を売却して元金を一括返済することを条件に、存命中は金利のみの返済で資金の借り入れが可能です。
資金使途を住宅の購入やリフォームなどに限定した「リバースモーゲージ型住宅ローン」という商品もあります。

(3)親族間売買で子供に家を譲る

子供や親戚など親族の中に、自宅を引き継ぎたいと希望する人がいる場合、その人に自宅を売却し、新居のための資金調達をすることも可能です。思い入れのある自宅を親族に譲って残すことができるため、親族間売買は老後の住み替えのために利用されることも多い方法です。

ただし、購入する側が住宅ローンを利用することが難しく、売却価格の設定にも注意です。

 

4.住み替えを検討する際に整理したいこと

ここまでお伝えしたように、住み替えにはさまざまな方法や資金調達手段がありますが、どれが向いているかは人によって異なります。以下のポイントを整理しておくと、どのような方法が自分に向いているのか判断しやすいです。

(1)現在住んでいる自宅を残すか

どのような住み替えの方法を選んでも、少なからず費用はかかります。現在住んでいる自宅を売却できれば資金を確保しやすいので、まずは自宅を残すのか、売却してもかまわないのかを明確にしましょう。

現在住んでいる自宅が子どもたちの実家である場合、相続を希望する子どもがいる可能性もあります。勝手に売却してしまうとトラブルの元になるため、あらかじめ話を通しておくことが大切です。

(2)住居費をどの程度負担できるか

毎月の住居費をどの程度負担できるかによって、住み替え先の選択肢は変わってきます。自宅の住宅ローンを既に払い終えており、家にかかるお金がほとんどないという場合、住み替えにより住宅ローンや家賃の支払いで住居費が増す可能性があります。

一般的に、毎月の収入に対する住居費の割合は30%程度が目安であり、25%以下なら安全圏といわれています。現在の収入を考慮し、どの程度であれば無理なく支払えるかを考えてみましょう。

(3)老後に車の運転をするかどうか

老後に車の運転をするかどうかは、住み替え先の場所を決める際に重要なポイントです。運転する場合は、車移動が必要な郊外や地方への移住なども検討できますが、運転をしない場合は、電車やバスの交通網が発達した都市部が適しています。

運転する場合は駐車場も必要なので、車を運転するかどうかはあらかじめ決めておきましょう。

(4)家族に相談して決定する

住み替えを検討し始めた時点で、家族に相談しておくことが大切です。
現在住んでいる自宅をどうするのか、住み替え先は家族が気軽に会いに行ける立地なのか、保証人を頼む必要があるのかなど、住み替え先を決める際は、家族の協力や了承を得る必要があるからです。リバースモーゲージを利用する場合は、推定相続人の承諾が必要となることもあります。

また、家族に住み替えの相談をすることにより、二世帯同居や親族間売買などが実現することもあります。住み替えを検討し始めたら、できる限り早いタイミングで家族に相談しましょう。

5.まとめ

老後の住み替えにはさまざまな選択肢や資金調達方法があります。大切なのは、どのような形で住み替えを実現したいか、住み替え後はどのような生活をしたいか、ご自身の希望を明確にすることです。

「老後のために住み替えを検討しているけれど、今住んでいる家は子どもに譲りたい」という場合は親族間売買を検討するとよいでしょう。ただし、親族間売買には注意が必要な点も多いので、親族間売買の実績を豊富に持つ不動産会社に相談することが大切です。

当社は、数多くの親族間売買を手掛けてきた不動産会社です。ご相談者様の状況やご希望を丁寧にお伺いした上で、最適な方法をご提案します。
こちらでは当社での相談から解決までの流れを紹介していますので、参考にしていただければと思います。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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