休職により住宅ローンが払えない場合に利用できる制度と対処法を解説

休職により住宅ローンが払えない場合に利用できる制度と対処法を解説

休職したことにより収入が途絶えたり減少したりして住宅ローンの支払いが困難になるというケースは少なくないでしょう。
休職により住宅ローンが払えない場合、状況に応じて適切な対処を行うことが大切です。

今回は、休職で住宅ローンを払えない場合のリスク、休職中の支出を補うために利用できる保険や制度、休職で住宅ローンを払えないときの適切な対処法などについて解説します。

1.休職で住宅ローンを払えない場合のリスク

休職で住宅ローンを払えないと、通常は支払う必要がない遅延金の発生や、自宅を競売にかけられるリスクがあります。具体的なリスクの内容について説明します。

(1)損害遅延金の請求

遅延損害金とは、住宅ローン契約者が契約に基づく返済義務を履行しないことによって生じた損害の賠償です。
病気や怪我で休職し、住宅ローンの返済が1日でも遅れると、遅延損害金が発生します。
本来は支払う必要がないお金を払うことになるため、休職で住宅ローンが払えないときには、早めに金融機関にリスケジュール(返済計画の見直し)の相談をすることが大切です。

(2)競売にかけられる

競売とは、裁判所が強制的に自宅を売却し、売却代金を住宅ローンの返済に充てるものです。
金融機関からの督促に対応せず、住宅ローンを返済しない場合、自宅は差し押さえられます。最終的には競売にかけられ、自宅を売却しなければなりません。
また、競売では一般的な不動産売買よりも4~5割程度安い価格で落札されることが多いため、競売で売却するメリットはないといえるでしょう。

2.休職中の支出を補うために利用できる保険や制度

休職により収入が減っても、光熱費や食費などの生活費は今までどおりかかります。そのため、住宅ローンの支払いを続けるためにも、支出を補う必要があります。
休職中の支出を補うために利用できる保険や制度について紹介します。

(1)住宅ローン返済支援保険

休職により収入が減った際、住宅ローン返済支援保険に加入している方は加入先から保険金を受け取れる可能性があります。
住宅ローン返済支援保険は、契約者が病気や怪我で働けなくなった場合に、住宅ローンの返済をカバーする保険です。住宅ローンを提供している金融機関で加入でき、加入者(債務者)が病気や怪我など条件を満たせば、多くは最長3年間ローンの返済が免除されます。
返済免除の要件や内容は、保険のプランによって異なるので、住宅ローン返済支援保険に加入している方は、加入先に問い合わせて内容を確認してください。

(2)就業不能保険・所得補償保険

就業不能保険や所得補償保険に加入している方も、加入先から保険金を受け取れる可能性があります。
就業不能保険は、病気や怪我などにより長期間働けないとき、毎月給付金が受け取れる保険です。所得補償保険は、働けなくなった場合に得られなくなる所得を補償して、ご自身やご家族の生活を守るための保険です。
通常の団体信用生命保険金や生命保険金は、死亡または高度障害状態になった場合にのみ支払われます。
就業不能保険や所得補償保険の保険金支払いの要件や内容は、保険のプランによって大きく異なります。詳しい要件や内容を知りたい場合は、加入先に問い合わせて確認するとよいでしょう。

(3)傷病手当金・労災保険の休業補償給付

休職により収入が減った際、傷病手当金の支給を受けられる可能性もあります。
傷病手当金は、休業中の健康保険の被保険者とその家族の生活を保障することを目的とした制度です。加入している健康保険協会や健康保険組合などから支払われます。業務外の病気や怪我などにより、休職していて会社から給料が支払われない期間、受け取ることができます。病気には、うつ病などの精神疾患も含まれます。なお、業務外ではなく業務が原因となる病気や怪我により休職している場合は、労災保険の休業補償給付を受けることができます。例えば、通勤中に事故に遭い怪我をした場合や、職場でパワハラの被害を受けてうつ病を発症した場合などは、労災認定される可能性が高いでしょう。

傷病手当金は給料1日分の約67%、労災の休業給付は約80%が基本となります。休業中の支出を補うために役立つので、利用できる場合は積極的に利用しましょう。
傷病手当金や労災保険の休業補償給付については、勤務先の人事部に問い合わせることもできますが、人事部に問い合わせたくないという場合は、加入している健康保険組合や、社会保険労務士などの専門家に相談してもよいでしょう。

3.休職で住宅ローンを払えないときの対処法

休職により住宅ローンを支払えなくなったときの適切な対処法について説明します。

(1)金融機関にリスケジュールの相談

休職により収入が減り、住宅ローンの返済が困難な状況に陥った場合は、住宅ローンの借入れをしている金融機関にリスケジュールの相談をしましょう。リスケジュールとは、住宅ローンの返済方法を変更し、返済計画を立て直すことです。
早い段階で金融機関に相談すれば、返済期間を延長してもらえる場合や、条件が見直される場合もあります。ただし、長期間にわたり住宅ローンの返済が滞っている場合は、リスケジュールを認めてもらえない可能性があるので、可能な限り早めに相談してください。

(2)リースモバゲージ

シニア世代が休職により住宅ローンを支払えなくなった場合、リバースモーゲージを利用することが有効な対処法となるケースもあります。リバースモーゲージとは、自宅を担保に、自宅に住みながら老後の生活資金を借りられるシニア向けのサービスです。一般的に「55歳以上」などの年齢制限があります。
対象年齢の方で、住宅ローンの残債がある場合は、リバースモーゲージの利用を検討してもよいでしょう。リバースモーゲージを利用できれば、毎月の支出の負担が大幅に軽くなるため、休職中でも無理なく支払えるでしょう。ただし、リバースモーゲージは自宅を担保にして借り入れをするサービスで、トラブルも多いので、慎重に検討することが大切です。

(3)自宅の売却

休職期間が長引き、住宅ローンの支払いが困難な状況がしばらく続きそうだという場合、自宅の売却を視野に入れてもよいでしょう。自宅を売却して、家賃の安い賃貸住宅に引っ越すことにより、毎月の支出を抑えて経済的な基盤を立て直せる場合もあります。
自宅を売却する場合、住宅ローンの残額が住宅の売却価格を下回っているか(アンダーローン)か、上回っている(オーバーローン)によって売却方法が異なります。

アンダーローンとは、住宅ローンの残額が住宅の売却価格を下回っている状態のことです。アンダーローンの場合、通常の不動産売却の方法で自宅を売却することが可能です。
一方、オーバーローンとは、住宅を売却しても住宅ローンが返済できない状態です。この場合、抵当権の抹消ができないため、通常の方法で売却することができません。
オーバーローンの場合に、住宅ローンの滞納による競売を避ける方法として、任意売却という方法があります。任意売却とは、債権者の同意を得た上で売却活動を行い、売却益を住宅ローンの返済に充てるという方法です。任意売却は仲介業者を通して行われるため、競売より有利に売却できます。
ただし、任意売却を成功させるためには、債権者との交渉など専門的なノウハウが必要となります。そのため、任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社を選ぶことが重要です。

4.休職中に住宅ローンを払えないときの注意点

休職中に住宅ローンを払えないときに、状況を悪化させないために注意すべき点について説明します。

(1)早めに解決に向けた行動をすること

休職したことにより住宅ローンの支払いが困難という状況に陥っても、「誰に相談すればよいかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、誰にも相談せずに住宅ローンが払えない状態を放置すると、いずれは自宅を競売にかけられるなど、状況が悪化する可能性が高いです。そのため、早めに解決に向けて行動することが重要です。
まずは、住宅ローンの借り入れをしている金融機関に状況を説明して、リスケジュールの相談をしましょう。

(2)消費者金融などから借り入れをしないこと

住宅ローンの支払いが困難になった際に、消費者金融などからお金を借りて返済をする方もいらっしゃるようですが、消費者金融などで借り入れをすることはおすすめできません。
一時的に住宅ローン滞納の危機を乗り越えることは可能ですが、消費者金融の金利は住宅ローンに比べて大幅に高いため注意しましょう。結果として、利息を多く支払わなければならなくなり、支払い総額が増えることになります。

(3)復職を急ぎ過ぎないこと

休職により住宅ローンを支払えなくなり、焦って職場に復帰しようと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、復職を急ぎ過ぎると、病気の症状がさらに悪化し、再び休職することになる可能性もあります。特に、うつ病などの精神疾患の場合は、休職と復職を繰り返すケースが目立ちます。復職のタイミングの判断は難しいケースもありますが、ご自身が無理をしないことが大切です。

まとめ

今回は、休職で住宅ローンを払えない場合のリスク、休職中の支出を補うために利用できる保険や制度、休職で住宅ローンを払えないときの適切な対処法などについて解説しました。

休職が長引き、住宅ローンの支払いが困難な状況に陥った場合は、早めにリスケジュールの相談をしましょう。リスケジュールの相談に応じてもらえず、自宅を競売にかけられそうな場合は、専門家に相談することで競売を回避できる可能性があります。

当社は、住宅ローン滞納問題を専門的に扱う不動産会社です。ご相談者様のご希望や状況を丁寧にお伺いした上で、最適な解決方法をご提案します。「住宅ローンを払えないけれど、今の家に住み続けたい」「競売だけはなんとか回避したい」など、さまざまなご相談に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
こちらでは当社での相談から解決までの流れを紹介していますので、参考にしていただければと思います。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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