住宅ローンのリスケジュールとは?メリット・デメリットと注意点を解説

リスケジュール

「経済状況が悪化して、住宅ローンの返済が厳しい」という時に頼りになるのがリスケジュールです。リスケジュールができれば、毎月の負担を軽減できます。

ただし、住宅ローンのリスケジュールは、長期的にはデメリットもあるため注意が必要です。

今回は、住宅ローンのリスケジュールのメリットやデメリット、注意点などを紹介します。リスケジュールを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

1.住宅ローンのリスケジュールとは

住宅ローンのリスケジュールとは、契約当初に作成した返済スケジュールを変更することをいいます。多くの場合、毎月の返済額を減らすなど、負担を軽減する方法で支払いを調整します。

経済状況の悪化などにより、スケジュール通りの返済ができない方は少なくありません。このような場合に、住宅ローンで破産することを防ぐために利用されます。

2.住宅ローンのリスケジュールの種類

住宅ローンのリスケジュールには、複数の種類が存在します。それぞれ特徴が異なるため、自分に合った方法を検討することが大切です。代表的な4つの方法について説明します。

(1)借入期間の延長

借入期間の延長は、契約当初のスケジュールより長い期間で返済ができるよう調整する方法です。例えば、当初30年で完済予定だった住宅ローンを、35年や40年といった期間で返済できるように延長します。

住宅ローンは分割返済なので、期間が伸びれば毎月の返済額は少なくなります。ただし、返済期間が伸びると利息が発生する期間も長くなるため、総返済額は高くなります。

(2)返済額の一時減額

1年間や3年間など、一定期間の返済額を減額するという方法もあります。例えば、毎月10万円返済するはずだったスケジュールを、3年間だけ毎月7万円に抑えるなどという形で調整します。

一時減額をするケースでも、減額した分はいつか支払わなければなりません。そのため、返済期間の延長や、将来的な返済額の増額などを伴います。

(3)ボーナス返済の中止や見直し

ボーナス返済を設定している方は、中止や金額の見直しをするという方法があります。ボーナスの減額や支給の中止が発生した場合は、救済策となるでしょう。

ただしこの場合も、ボーナス返済の見直しによって減額した返済額は、将来支払わなければなりません。

(4)元金の据え置き

元金の据え置きとは、一時的に返済額を「利息分のみ」にすることです。

ローンの毎月の返済額には、借り入れた額そのもの(元本)の返済分と利息の返済分が含まれます。そのうち元本分の返済を一時的に猶予することが、元金の据え置きです。

借り入れ条件にもよりますが、毎月の返済額のうち半分以上を元金分が占めることも多いため、毎月の負担が大きく軽減されるでしょう。ただし、これまで紹介してきた方法と同様に、減額分はいつか支払わなければならないため、将来的な負担は増加することになります。

3.住宅ローンをリスケジュールするメリット

住宅ローンをリスケジュールすることには、次の2つのメリットがあります。

  • 短期的な負担の軽減
  • 一時的な支出を乗り切るために活用できる

それぞれの詳細について説明します。

(1)ローン返済による短期的な負担を軽減できる

リスケジュールの最大なメリットは、短期的な経済的負担を軽減できることです。「毎月まとまった金額を支払うのは難しいけれど、少しずつなら返済できる」というケースは少なくありません。

例えば、毎月12万円の返済額が9万円になるだけでも家計が楽になる方は多いのではないでしょうか。支払総額は増えますが、計画的に返済ができるのであればメリットは大きいといえるでしょう。

(2)一時的な支出を乗り切るために活用できる

住宅ローンのリスケジュールは、家計の一時的な支出を乗り切るために活用できます。例えば、家計の負担が短期的に増加する以下のようなケースで役立ちます。

  • 子供が急遽私立の高校に通うことになった
  • 親の病気が発覚して手術の費用が必要になった
  • 車の買い換えが必要になった

一時的な支出を乗り切れば当初の予定通り支払いを続けられる場合は、リスケジュールによって住宅ローンの支払いを短期的に軽減することは賢い選択だといえるでしょう。

4.住宅ローンをリスケジュールするデメリット

メリットがある一方、忘れてはいけないのがリスケジュールのデメリットです。

リスケジュールには以下のようなデメリットがあります。

  • 返済総額の増加
  • 滞納が続いていると相談できない

それぞれ詳しく見てみましょう。

(1)金利の発生期間が長くなるため返済総額は増加する

住宅ローンのリスケジュールをすると、返済総額は増加することが多いです。調整の方法によっても異なりますが、返済期間が長くなると、その分発生する金利も増えるためです。

リスケジュールを検討するときは、短期的な家計の負担だけでなく、長期的にどの程度負担が増えるのかも考える必要があります。ライフプランを確認し、影響の少ない範囲で収まるのかしっかりと確認しましょう。

(2)滞納していると相談はできない

既に長期間住宅ローンを滞納している場合、リスケジュールの相談には乗ってもらえないことが多いです。遅い場合でも、滞納3カ月目までには連絡するようにしましょう。

リスケジュールは、将来的に支払いの見込みがある人に対する対応です。ローン契約者の信用が損なわれている状態では、応じてもらえないこともあるという点に注意してください。

5.住宅ローンをリスケジュールする際の注意点

短期的な負担軽減に役立つリスケジュールですが、検討する際の注意点も存在します。今後のマネープランにも関わるため、良い点・悪い点を比べながら申し込むかどうか考えなければなりません。

(1)リスケジュールはあくまで「負担の先延ばし」

リスケジュールは、毎月の負担を軽減し、短期的な家計の建て直しに役立つことも多いです。ただし、軽減された分の支払いはあくまで先延ばしにされているに過ぎません。 

期間が長くなるだけではなく返済の総額も増えるという点には注意してください。

先送りした分を返済できるあてがなければ、真綿で首を絞める事態に陥るかもしれません。現実的な返済計画を立てることが大切です。

(2)老後に完済できるか慎重に判断する

返済期間が伸びた結果、定年退職後にまで返済を持ち越す場合、老後の生活と両立できるか慎重に判断しましょう。

定年退職後は、年金生活を送るか、職場で雇用の継続制度を利用する人が多いです。しかし、いずれの場合も定年前より収入が減少することが一般的です。住宅ローンを返済するだけの余裕がないことも少なくありません。

老後の家計状況を推測しつつ、住宅ローンを完済できるか検討してみてください。

(3)そもそも絶対に認められるものではない

そもそも、住宅ローンのリスケジュールは絶対に認められるものではありません。リスケジュールには審査が必要であり、家計の状況や収入の変動など、状況をチェックされます。

リスケジュールしても支払いを継続することが難しいと判断されると、従来通りのスケジュールから変更ができないこともあります。この場合、その他の方法による対処が必要です。

6.返済が厳しい場合のリスケジュール以外の対処法

住宅ローンの返済が厳しい場合に、リスケジュール以外の対処法を取るなら、どのような方法があるのでしょうか。経済状況を好転させる方法を3つご紹介します。

(1)家計を見直す

まず、家計の状況が適切かどうか見直すことが大切です。家族によって必要な支出はさまざまですが、実態に合っていない場合や、支払い金額が高すぎることがあるからです。

例えば、以下の支出は見直しの余地があるケースも少なくありません。

住宅ローンの借り換え 金利が高い場合は借り換えで負担を軽減できることもある
保険の見直し 夫と妻の加入している保険で保障が重複していることや、リスクに対して保障が過剰な場合がある
スマホ会社の変更 MVNO(格安SIM)に乗り換えることで大幅に安くなることもある
自動車 状況によっては車を持たず、リースやカーシェアリングを利用したほうが安くなる場合がある

適切に支出を調整することで、月に数万円浮くこともあるため、一度家計を見直してみることをおすすめします。

(2)住宅の売却ができないか検討する

家計を見直しても住宅ローンの返済が難しい場合は、住宅の売却を検討してみてください。ローン残高より高く売却できるようであれば、売却代金で賃料の安い住宅に引っ越すことも可能です。

住宅ローンの滞納が長期化すると、いずれは抵当権を設定している債権者によって競売にかけられます。競売の売却価格は、不動産市場の相場より大幅に安くなることが多いため、返済の見通しが立たないなら、自分で売却した方が経済的な損失が小さくなります。

まずは、一般的な不動産会社の査定を利用して売却価格の見込みを調べてみましょう。

(3)借り入れが多い場合は債務整理も検討する

住宅ローン以外にも借り入れがあり、いわゆる多重債務状態に陥っているのであれば、債務整理も検討してみてください。毎月の返済額が少なくなれば、リスケジュールに頼らずに家を維持できることは多いです。

債務整理は、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の三種類があり、以下のように特色が異なります。

任意整理 主に消費者金融の借り入れやカードローンなど「高利」「無担保」の借り入れが対象。

金融機関との協議により利息分や遅延損害金の削減を目指し、毎月の支払いを減少させる。

個人再生 大幅に債務を削減できる裁判所の手続き。住宅ローンを整理対象から除外することで家を残せる「住宅資金特別条項」という制度がある。
自己破産 債務と財産を精算し、支払い免除を受ける裁判所の手続き。住宅や車などの財産は失うことが多い。

債務整理をする場合、弁護士など法律の専門家に相談の上、自分に適した方法を選ぶことが大切です。

7.まとめ

住宅ローンのリスケジュールは、短期的には負担の軽減に役立ちますが、あくまで支払いの先送りであるという点は認識しておきましょう。経済状況の回復見込みが立たない状況でリスケジュールすると、未来の自分を苦しめることもあります。

リスケジュールを検討する際は、先送りにした分をきちんと払えるのか、将来の生活に問題はないかなど、ライフプランも考慮しつつ判断しましょう。

住宅ローンの滞納が続き、リスケジュールの相談に応じてもらえない場合、生活を立て直すために家の売却を検討してもよいでしょう。住宅ローンの残高が家の売却価格を上回るオーバーローン状態の場合でも任意売却という方法で売却することが可能です。

当社は、任意売却を専門的に扱う不動産会社です。ご相談者様のご希望や状況を丁寧にお伺いした上で、任意売却はもちろん、その後の生活の再建まで見据えたサポートを提供いたします。「住宅ローンの支払いが難しい状況だけど、今の家に住み続けたい」などというご相談にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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