家を売る進め方・不動産売却の基本的な流れと注意点を解説

不動産売却

不動産の売却は、通常一生に何度も経験するものではないため、疑問はつきものです。「どのような流れで進むの?」「どのような準備をすればいいの?」など、わからないことは多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、一般的な不動産売却の流れと準備、売却までの期間などを詳しく解説します。

1.不動産売却の検討から売却完了までの流れ

まずは、家の売却の検討から売却完了までがどのように進むのか、おおまかな流れを6段階に分けて説明します。

(1)不動産会社に家の査定を依頼する

家を一般の中古市場で売却する場合、「いくらで売りに出すか」を決めなければなりません。そのため、まずは家がどの程度で売れそうか、参考価格を知るために査定を受けます。

不動産の査定は不動産売却の媒介をしている会社に依頼するのが一般的です。まずは、家の情報をもとに概算価格を調べる「机上査定」を複数社に依頼し、その中から、実際の家の状態を見て精度の高い査定を行う「訪問査定」を依頼する会社を選ぶとよいでしょう。

(2)不動産会社と媒介契約を締結する

査定を依頼した会社の中から、対応や得意エリアなどを比較し、媒介契約を結ぶ会社を選びます。媒介契約とは、売主の代わりに物件の営業活動を行い、売却が成約できた場合に仲介手数料を受け取ることを約束する契約のことです。

媒介契約には、複数の会社と媒介契約を結べる「一般媒介」と、一社が物件の専属となる「専任媒介」「専属専任媒介」の3つの種類があります。それぞれ契約内容に細かい違いがあるため、しっかりと説明を受けて理解した上で、自分に合った形態を選びましょう。

(3)売却活動開始

媒介契約が完了したら、担当の不動産会社が売却活動を開始します。売却活動が始まると、物件の情報をREINS(全国の不動産会社が閲覧する物件のデータベース)や自社のWEBサイトに公開する、家を探している人に紹介するといった方法で買い手を探します。

(4)内見(内覧)対応・申し込み

物件の見学希望者が現れたら、売主は内見(内覧)対応をしなければなりません。
気持ちよく見学してもらい、好印象を持たれるよう、早めに準備をしておきましょう。最低限の掃除と整理整頓は必須です。
また、玄関や水回りなどは気にする人も多いため、念入りに掃除しておいてください。

内見(内覧)の結果、家を気に入ってもらい、金額面や引き渡し条件などでおおむねの合意ができれば、晴れて申込みとなります。申し込み後はいったん売却活動終了となります。

(5)売買契約の締結

買い主は、物件の申し込み時に住宅ローンの事前審査(仮審査)を行います。無事に事前審査を通過すると、いよいよ売買契約の締結です。

売買契約では、売主と買主、不動産会社の同席のもと、契約内容や付属設備などの最終確認が行なわれます。また、通常の売買契約では、この時点で買主から売主に手付金が支払われます。仲介による不動産売買では、手付金はおおむね売却価格の1割程度となるのが一般的です。

これ以降の正当な理由のない契約解除は、手付金の放棄または手付金の倍返しが必要となります。

(6)引渡し・決済

住宅ローンの本審査の結果、無事に融資が決定すると、物件の引き渡しと代金の決済を行います。通常、引き渡しと残金の決済、所有権移転登記は同日に行われることが多いです。
売主が住宅ローンを借り入れており、売却代金で完済する場合、こちらの決済も所有権移転登記の前に行われます。

2.家を売るために売主に必要な準備とは

家の売却を円滑に行うには、売ることを考え始めた段階から徐々に準備を進めていく必要があります。では、具体的にどのような用意をしておけばよいのでしょうか。

(1)売買価格の相場を把握しておく

家の売却を決めたタイミングで、売却価格の相場を把握しておきましょう。不動産会社の査定結果があれば目安はわかりますが、不動産会社の査定価格は会社によって異なります。そのため、まずは基準となる金額を自分で調べておくとよいでしょう。

さまざまな調査方法がありますが、最も手軽な方法はインターネットで調査することです。
国土交通省が過去の売買データを公開しているサイトがありますので、そちらを確認してみてください。エリアや間取、建物の種別などの条件による絞り込み検索の機能があり、自宅と似た条件の物件を見つけやすくなっています。

参考:不動産取引価格情報検索|国土交通省

インターネットの一括査定や不動産会社の不動産査定には注意が必要です。なぜなら、仕事欲しさのために無暗な「高値」査定が横行しているからです。査定書は見積ではありません、査定額で売却できる保証は何もありません。それを利用して、各不動産会社は競って、高値での査定をします。

所有者である売主にとっては、査定書において、A社「3500万円」、B社「3200万円」、C社「3000万円」の提案となった場合、A社に任せてしまう傾向が高いです。しかし、A社は媒介契約を締結し信頼を勝ち取ると、時間をかけて少しずつ値段を下げて最終的には3100万円程度で契約している方法をとるのです。所有者と担当者に信頼関係ができており、媒介契約を解除するのを躊躇することを念頭においてこのような手法を取ります。

したがって、高額査定してくる不動産業者はそもそも怪しいと考えたほうが良いです。不動産会社も鴨になる確率が高いです。

(2)住宅ローンの残高をチェック

不動産会社の査定を受ける前に、住宅ローンの残高を確認しておきましょう。残高が売却価格より多い場合、預貯金などで差額を埋めない限り、通常は売却できないからです。

住宅ローンの残高は、以下の方法で調べることができます。

  • 金融機関のWebサイトから調べる
  • 金融機関の窓口で問い合わせる
  • 金融機関から送付される残高証明書を確認する

なお、住宅ローン残高が売却価格より高い場合も、実は売却は不可能ではありません。ただし、その場合は「任意売却」という別の手続きが必要となります。詳細については後述します。

(3)売却を決定したタイミングで書類の準備を始める

不動産の売却では、自分の身分に関するものや、不動産の状態や権利関係を証明するものなど、多くの書類が必要です。中には、紛失して家の中を捜索しなければならない書類や、取り寄せに時間がかかるものもあります。売買をスムーズに行うために、売却を決めた段階から少しずつ必要書類を集めておきましょう。

3.家を売るにはどのくらい期間がかかるのか

家を売却する場合、どの程度の期間を見込んでおけばよいのでしょうか。売却完了までの期間と、期間の長さを左右するポイントについて説明します。

(1)3か月から1年程度かかるのが一般的

一般的に、家の売却には3か月から1年程度かかるといわれています。早めの現金化が必要な場合は、短期間で売却を完了するための対策が必要です。

(2)売却にかかる期間は家の状態や需要にもよる

家の売却にかかる期間は、さまざまな要因により左右されます。最も影響を及ぼす要因は価格ですが、家の状態やエリアの需要によっても変わってきます。

状態が良く立地も良い家を安く売りに出せば取り合いになるでしょうし、悪条件の物件が相場以上の価格だと売却にかかる期間は長期化するでしょう。また、時期によって不動産の需要は増減するため、売り出しのタイミングによっても期間の長さは異なります。

(3)早く売るためのポイント

家をなるべく早く売るためには、相場にのっとった金額で売り出し、家の魅力を最大限アピールすることが大切です。

不動産会社の査定を利用する際は、相対的に高いか安いかより、「なぜその価格なのか」を確認するようにしましょう。査定結果の根拠がはっきりしているなら、合理的な価格設定がしやすくなります。

また、内見の前には家を清掃・整理整頓し、不用品も処分しておきましょう。内見時になるべく好印象を持ってもらえるよう、気持ちよく見学できる環境を整えておくことは大切なポイントです。小規模な傷や汚れであれば、DIYで修繕を済ませてしまうのも一つの方法です。

4.家の売却価格よりローンの残債が多いときはどうする?

自宅の売却見込み価格よりローンの残債が多い場合、そのままでは家を売ることはできません。売却後もローンが残ることから、家に抵当権を設定している債権者が同意しないためです。では、この場合、どうすれば売却できるのでしょうか。

(1)預貯金で不足分をまかなう

考えられる方法の一つは、ローンの残債と売却価格の差額を預貯金などで埋めることです。例えば、残債が1000万円、売却価格が700万円のケースでは、差額の300万円を自分の財産から持ち出すことになります。

しかし、経済的に困窮していると、差額を埋められるほどの預貯金がなく、かといって住宅ローンの返済を続けることも難しい場合が少なくありません。このようなケースでは、任意売却親族間売買が選択肢に入ります。

(2)任意売却・親族間売買を検討する

先ほど、オーバーローン状態では家を売ることはできないと説明しましたが、これには2つの例外があります。

1つは、オーバーローン状態の場合に、債権者と交渉して家を売却する任意売却という方法です。

2つ目は、家族や親族に残債以上の金額で家を買い取ってもらう親族間売買という方法です。

任意売却は、債権者が売買に同意するかが成否を分け、親族間売買は買い取ってくれる親族がいるかがネックとなります。どちらの場合も、通常の不動産会社では対応が難しいため、その道のプロである専門会社に依頼することが大切です。

5.まとめ

家を売却する際は、まずは簡単に家の相場を調べ、不動産会社の査定結果をチェックすることから始めましょう。査定の根拠がしっかりしており、相場と差がある場合は、その理由を説明できる会社に媒介を依頼するのがおすすめです。

売却を決定した段階から、売却の必要書類の収集と、清掃や不用品の処分といった家の準備をしておきましょう。とくに家の整理は時間がかかるため、内見に間に合うよう少しずつ進めておくと、見学希望者が現れた際に慌てずに済みます。

住宅ローンの返済が厳しく家の売却を検討したけれど、オーバーローン状態であることが判明した場合、通常の売却方法では現金化することができません。このような場合、任意売却や親族間売買といった、イレギュラーな売却手段を検討することになります。当社は、これらの売却方法に関して豊富な実績を積んでおります。住宅ローンの返済が厳しいために自宅の売却を検討しているという方は、ぜひ一度当社にご相談いただければと思います。

クラッチ不動産株式会社代表取締役。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室代表理事。立命館大学法科大学院修了。司法試験を断念し、不動産業界に就職。住友不動産販売株式会社株式会社中央プランナーを経て独立、現在に致る。幻冬舎より「あなたを住宅ローン危機から救う方法」を出版。全国住宅ローン救済・任意売却支援協会の理事も務める。住宅ローンに困った方へのアドバイスをライフワークとする。
監修者: 井上 悠一

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