老後に広すぎる家に住み続けるメリットとデメリット・適切な対処法を紹介

老後に広すぎる家に住み続けるメリットとデメリット・適切な対処法を紹介

子どもが成人して家を出るまでは家族にとってちょうどよい広さの家でも、子どもが家を出ていって夫婦二人暮らしになると広すぎると感じるようになるでしょう。年齢を重ねて老後のことを考えるようになると、広すぎる家にこのまま住み続けるべきなのか悩む方も多いようです。当社でも、老後の住み替えに関するご相談を受けることが増えています。

この記事では、老後に広すぎる家に住み続けるメリットやデメリット、老後に家が広すぎると感じる場合の選択肢などについて解説します。

1.老後に広すぎる家はどうするべき?

老後に広すぎる家をどうするべきか悩んでいる場合、住み続けるメリットとデメリットを比較しながら検討するとよいでしょう。老後に広すぎる家に住み続けるメリットとデメリットについて説明します。

(1)住み続けるメリット

①住み慣れた街と家で暮らせる

老後も長年住み続けた街と家で暮らせることは大きなメリットといえます。

住み慣れた街なので周辺の環境について熟知しており、行き慣れたスーパーやかかりつけ医なども変えることなく利用できます。

ご近所付き合いも維持できるため、気心が知れた人たちと交流をしながら、気兼ねなく過ごせるという点は老後も同じ家に住み続けるメリットといえるでしょう。

②思い出を残せる

長年住み続けていた家には、家族とのさまざまな思い出があります。

家族や子供と一緒に過ごした分、大切な思い出がたくさん詰まった家から離れがたいという気持ちをお持ちの方は多いでしょう。

老後には広すぎる家でも、「家族との大切な思い出を残したい」という気持ちから住み続けているという方も少なくありません。

③家族が集まりやすい

夫婦二人暮らしや一人暮らしには広すぎる家でも、広さがある分、子供や孫が集まりやすいというメリットがあります。

家の広さに余裕があれば、年末年始やお盆休みなどの長期休みには、家族が大勢集まっても問題なく過ごせます。

日常生活を送るには広すぎると感じる家でも、子どもが孫を連れて実家でのんびり過ごせるように残しておきたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

(2)住み続けるデメリット

老後広すぎる家に住み続けることはメリットもありますが、以下のようなデメリットもあります。

①高額な税金を払い続けなければならない

老後も広すぎる家に住み続けると、高額な固定資産税や都市計画税などの税金を払い続けなければならないというデメリットがあります。

固定資産税と都市計画税は毎年課税され、土地や建物の大きさに比例して高くなります。使っていない部屋や広い庭などがあると、余計な税金を払い続けることになります。

また、老後は年金暮らしになって収入も減ることが多いため、税金の支払いが困難になるかもしれません。

②高額な光熱費を払い続けなければならない

室内を快適な温度に保つために使用するエアコンは、広い部屋ほど電力を消費します。

広すぎる家では冷暖房の効率が悪くなり、地域にもよりますが、夏や冬は光熱費が高くなることが多いです。特に窓が多い家では室温の維持が難しく、室温を保とうとすると、光熱費が高くなってしまいます。

高齢になれば暑さや寒さが体調に影響しやすくなるため、快適な室温を保つことは健康を維持するためにも大切です。そのため、老後に広すぎる家で健康的な生活を送るためには、高額な光熱費を払い続ける必要があります。

③修繕費などが必要になる

一戸建ての場合、長く住んでいると外壁や屋根、床下などは定期的に修繕やメンテナンスが必要になります。家が大きいほど、修繕やメンテナンスに高額な費用がかかります。

また、災害の被害などに遭った場合は修繕に多額の費用が必要になる可能性もあります。

④掃除が大変になる

年齢を重ねると、若い頃のように身体を動かせなくなることもあります。広い家は毎日の掃除にも体力が必要なので、年齢を重ねるごとに大変だと感じるようになる可能性が高いでしょう。最近は、掃除ロボットなども販売されていますが、戸建ての場合は、階段部分の段差に対応できないなど制限があります。

また、家が広いと物を溜め込みがちになります。物が多いと整理が大変なので、老後に向けて断捨離をする必要があるでしょう。

⑤家の中の移動が苦になる

家が広すぎると、家の中での移動が苦になる可能性もあります。

寝室や居間からトイレまでの距離が遠い、階段の昇り降りが大変など、家のつくりにもよりますが生活しづらいと感じるようになる可能性があります。

また、駅から離れた場所や田舎の方に住んでいる場合、買い物や病院への通院なども大変になるでしょう。

2.老後に家が広すぎると感じる場合の選択肢

老後に家が広すぎると感じる場合に考えられる選択肢として、以下の3つが挙げられます。

広い家に住み続けるメリットとデメリットも踏まえながら、自分に合う選択肢を検討してみてください。

(1)そのまま住み続ける

老後もそのまま住み続けると、生活環境が変わらないので精神的な負担は少ないといえます。また、リフォームや新しい家を購入することと違い、資金的に大きな変動はないでしょう。

ただし、家は見えない所で劣化していくので修繕やメンテナンスが必要です。広い家は税金や光熱費も高いので、年金暮らしで生活を維持していくことは難しい場合もあります。そのため、住み続けるという選択をしても経済的な負担は発生するといえます。

(2)リフォームする

老後に家が広すぎる場合、床面積を減らすためにリフォームをするという選択肢もあります。リフォームの際にバリアフリーにしたり、手すりを設置したりすれば、老後も快適に暮らしやすくなるでしょう。

子ども夫婦と二世帯で住めるようにリフォームするという方法もあります。ただし、リフォームは大掛かりになるほど費用が高額になるため、予算を考慮しながら進める必要があります。

(3)住み替える

老後に家が広すぎると感じる場合、住み替えを選択するケースは多いです。住み替えなら、老後に住みやすい家や環境を自由に選べます。また、家を売却して得た資金を新しい家の購入資金に充てることもできるでしょう。

住み慣れた家を売却することに抵抗がある方も多いかもしれませんが、維持管理できない家に住み続けることは負担になります。

老後の住み替えには維持管理を自分で行う必要がないマンションを選ぶケースが多く、バリアフリー仕様になっているマンションは人気が高いです。

3.老後に住み替える場合の注意点

老後に住み替えする場合、いくつか注意すべき点があります。

自宅の売却をする前に注意点を把握し、対策を講じておきましょう。

(1)子供や兄弟姉妹に相談すること

子供や兄弟姉妹などがいる場合、自宅を勝手に売却するとトラブルになる恐れがあります。子供や兄弟姉妹が家の相続を希望している可能性があるからです。

子供や兄弟姉妹には家を売却する旨を伝えてから売却を進めることがトラブルを避けるための予防策といえます。

(2)住宅ローンを支払い中の場合の注意点

住宅ローンを支払い中に自宅を売却する場合、オーバーローンとアンダーローンのどちらであるのかが重要なポイントになります。

  • オーバーローン:売却額が住宅ローンの残債を下回る状態
  • アンダーローン:売却額が住宅ローンの残債を上回る状態

アンダーローンの場合は売却額で住宅ローンを完済できるため、住宅ローンが残っていても売却することが可能です。

一方で、オーバーローンの場合は売却後も住宅ローンが残るため、手持ちの資金で完済できなければ抵当権を外すことができず、一般的な方法で売却することはできません。

(3)住み替える資金に関する注意点

老後に広い家から他の住宅に住み替えるためには、住み替えにかかる資金が必要になります。まず、家の売却には印紙代や登記費用、仲介手数料などが発生します。これらの費用の相場は売却価格の5%前後が相場です。また、新しい家を購入するための資金も必要になります。

どの程度の預貯金があり、どのように資金を作るのか、老後どの程度の生活費が必要になるのかという点なども踏まえ、住み替えるための資金について検討しましょう。

4.オーバーローン状態で住み替えたい場合の対処法

オーバーローン状態で、手持ちの資金で住宅ローンを完済できなくても、住み替えることは可能です。オーバーローン状態の場合は、以下の方法を検討してください。

(1)住み替えローンを利用する

住み替えローンは、現在住んでいる家の住宅ローンの残債分と新居を購入するための資金を合わせて借入れることができるローン商品です。自宅を売却しても住宅ローンが残る場合、住み替えローンを利用することで新居の購入資金まで用意できます。

住み替えにかかる費用も抑えられ、二重ローンを避けられるというメリットがあります。

ただし、高額な債務を抱える可能性があるため、審査が通常よりも厳しくなるというデメリットがあります。

(2)任意売却をする

前述したとおり、オーバーローンの状態では一般的な方法では売却できませんが、任意売却という方法なら売却が可能です。

任意売却とは、住宅ローンが残った家を債権者である金融機関の同意を得て売却する方法です。ただし、任意売却は通常売却とは異なり、債権者との交渉をスムーズに進めるための専門的なノウハウが必要になります。そのため、任意売却の実績を持つ不動産会社を慎重に選ぶことが大切です。

まとめ

この記事では、老後に広すぎる家に住み続けるメリットやデメリット、老後に家が広すぎると感じる場合の選択肢などについて解説しました。

老後に広すぎる家に住み続けると、高額な税金や光熱費を払い続けることになります。また、家のつくりによっては生活しづらいと感じることもあるかもしれません。子供や親族が相続を希望しない場合は、生活しやすいコンパクトな住宅への住み替えを検討した方がよいでしょう。

当社は、任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社です。老後の住み替えに関する相談にも対応しています。「住み替えをしたいけれど、住宅ローンが残っているので一般的な方法では売却ができない」という場合は、任意売却で対応することが可能なので、お気軽にご相談ください。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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