ウッドショックは解消されるのか・最高値から5割急落

木材

住宅の柱や梁に使う木材の流通価格が上昇し「ウッドショック」と呼ばれる木材価格の高騰が続いておりましたが、アメリカ木材先物相場が、5月の最高値から5割安くなった。

急落の原因はアメリカにおいて、

  1. 投機マネーが売り進んだ
  2. 住宅着工が遅れ始めた
  3. 高騰に嫌気した需要家が調達を控えたため

とみられている。

住宅着工の遅れは、住宅着工が木材の供給能力を超え、水回り設備等の建材が不足し、遅れ始めたそうです。

アメリカが発表した5月の新築一戸建て住宅販売件数は、76万9,000戸と前月比5.9%減少し、2020年5月以来の低水準となり、住宅価格の高騰で消費者の住宅購入の勢いがやや弱まったのと指摘もありますが、米国の住宅需要はなお強く、相場は高止まりするとの見方が多く、高値の木材が対日輸入されるのもこれからで、日本国内価格は当面上昇する見通しになりそうです。
さらに、住宅金利が上昇する前に購入しようとする駆け込み需要も、今後見受けられるとの見解で、木材高騰は5月の最高値までは戻らないだろうが、高値圏で推移すると予想されます。

国内では、木材の調達に苦しむ住宅メーカーでは、特に中小の事業者を中心に、着工時期の遅れなどをめぐり顧客とトラブルになるケースも相次いでいます。
住宅価格の値上げを実施した住宅メーカーも多く、輸入材高騰の背景には、昨年後半からの海運価格上昇という要因もあり、しばらくはこの状態が続きそうだという見通しです。

過去にもウッドショックは2度起きています。

1度目は、1990年代に米国等で環境問題、絶滅危惧種のフクロウの保護等で森林伐採の規制が進み、木材の供給不足になりました。
2度目は、2008年のリーマンショック直前の住宅ラッシュで木材価格が上昇しました。
そして、今回が3度目の「新型コロナウイルス」の感染拡大によるテレワークの普及によって、郊外への移住や一戸建ての需要が高まったために起きています。

日本への木材価格の影響は、まだまだ続くと考えられます。
懇意にしている工務店の社長の予想では、日本における木材不足のピークは12月になるのではとのことです。
早く木材価格が落ち着くことを祈ります。

井上 悠一

クラッチ不動産株式会社代表取締役。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室代表理事。立命館大学法科大学院修了。司法試験を断念し、不動産業界に就職。住友不動産販売株式会社株式会社中央プランナーを経て独立、現在に致る。幻冬舎より「あなたを住宅ローン危機から救う方法」を出版。全国住宅ローン救済・任意売却支援協会の理事も務める。住宅ローンに困った方へのアドバイスをライフワークとする。
監修者: 井上 悠一

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