公売予告通知とは?公売の流れ・公売を回避する方法も解説

支払い通知

税金の滞納が長期化すると、自治体の納税担当窓口より送付されるのが公売予告通知書です。公売予告通知書を受け取り、「強制的に財産が奪われて一文無しになってしまうのでは」などと、不安な気持ちを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、公売予告通知書とはどのような書類なのか、公売の流れ、公売予告通知書を放置するリスクなどを解説します。公売を回避する方法もご紹介しますので、参考にしてください。

1.公売予告通知書とは

まずは、公売予告通知書が送られてきた現況について把握する必要があります。

公売とはどのような手続きで、送付されてくる通知書がどのような意味を持つのかを解説します。

(1)そもそも公売とは

公売は、国や地方自治体が税金を回収する手段の一つで、正式には「換価処分」といいます。税金を滞納していて自発的な納付が見込めない人に対して、その財産を差し押さえてお金に換えることで、滞納分の税金に充当します。

国税の場合、法律上は督促状の発送から10日を経過しても納付されない場合は財産の差し押さえを行うこととなっています。しかし、実際の徴税業務では、10日経過で即差し押さえを行うことはあまりありません。

各自治体や税務署は、税金を滞納している場合でも、可能な限り自発的な納付を促すよう指導されています。そのため、滞納初期の段階で納税相談をして、払える分だけでも払っていれば、突然公売になることは少ないのです。

参考URL:

国税徴収法四十七条(差押の要件)

公売予告通知書等の送付(事業運営方針)|国税庁

(2)公売予告通知書の意味

公売予告通知書の送付は、換価処分の準備として行われる手続きの一つです。書類の名前の通り、公売の開始を滞納者に予告することが目的です。ただし、公売には相応の手間や期間がかかるため、自発的な納税を促す最後通牒としての役割も大きいといえます。

ただし、税金を滞納している人の中には、事情があって納税が困難な人も多いです。このような場合には、公売予告通知書の送付によって納税相談に来ることを促し、事情を確認した上で公売にするかどうか判断することとなっています。

(3)公売の方法

公売には、大きく分けて3種類の方法があり、それぞれ手続きの流れや期間が異なります。

期日入札 入札から開札までが1日で行われる方法
期間入札 特定の期間内に参加者が一度だけ入札する方法(不動産の公売などで用いられる)
競り売り 一般的なオークション形式

(インターネットで行われることも多い)

なお、財産が公売にかかっても、買受人が代金を納付するまでに滞納分が全額納付された場合、公売は中止となります。この場合、財産は売却されずに返還されます。

参考URL:Q12.公売中止って何ですか?|公売情報

2.税金滞納から公売までの流れと期間

税金の滞納から公売までの期間は、手続きの流れや財産の種類によっても異なります。裁判所主導の競売と比べると期間は相当早く、滞納から差し押さえまで2か月程度で実施された例もあります。

では、具体的に公売まではどのような流れで進むのでしょうか。

(1)税金滞納から予告通知到着まで

税金の滞納から公売予告通知の到着までは、基本的に以下の流れで進みます。

  1. 税金の滞納開始
  2. 電話や書類での督促
  3. 職員の訪問による督促
  4. 財産調査の実施
  5. 差押予告通知の到着
  6. 差し押さえの実施
  7. 公売予告通知の到着

財産調査では、給与の金額や銀行預金、所有している不動産の有無などを調べ、税金として徴収可能な財産がないかを確認します。現金や預貯金以外の財産の場合は、差し押さえが実施された後、本格的に公売の準備に進むこととなります。

(2)予告通知到着から公売まで

差し押さえの実施後も滞納分の税金を納付できなければ、公売予告通知書が到着します。その後、公売の公告(外部へ向けての情報公開)が行われ、公売の実施となります。

公売の公告から財産の権利移転までの期間は、以下のように手続きの種類ごとに異なります。

  • 期日入札の場合:最長で2か月程度
  • 期間入札の場合:最長で3か月程度

前述した通り、公売はあくまで税金に関連する行政処分の一環なので、買受人が代金を納付するまでに滞納分を完納できれば、公売は中止されます。

参考:公売手続の一般的な流れ|公売情報

3.公売予告通知書を無視した場合のリスク

公売予告通知書は放置せず、届いた段階で徴収担当窓口に相談しましょう。

公売予告通知書を受け取った後そのまま放置した場合、どのようなリスクがあるのか具体的に説明します。

(1)財産が公売にかけられる

公売予告通知書は単なる脅しではなく、文字通り、「公売の予告」です。予告を放置していると、本当に財産が公売にかけられてしまいます。

税金を長期間滞納していると、動産・不動産問わず、さまざまな財産が公売の対象となります。例えば、以下のような財産が対象に含まれます。

  • 土地
  • 住宅
  • 骨董品
  • 貴金属や宝飾品
  • 自動車
  • ゴルフ会員権

土地など不動産があれば、先に差押の登記が行われることが多いです。この場合、すでに「差押通知書」が届いているかと思います。

(2)公売で家を失うことも

公売の対象となる財産には、住宅も含まれます。持ち家に居住していた場合、自宅が差し押さえの対象となり、家を失う可能性もあります。

自宅を手放すことになれば、賃貸住宅に引っ越して家賃を支払わなければなりません。そうなると、税金以上の負担となることも多いです。

(3)滞納税の免除を受けることはできない

公売予告通知が届いても「最悪の場合は自己破産すれば免責されるだろう」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、裁判所に破産手続きを申し立てても、税金関連の債務は免責の対象となりません。

自己破産の手続きには、免責できる債務とできない債務があり、滞納した税金は免責の対象外です。滞納している分はいつか支払わなければならず、放置しても延滞税が増えるだけです。

4.税金滞納時に公売を回避する方法

税金滞納時に、公売を回避するためには、どうすればよいのでしょうか。

(1)公売予告通知が届くまで放置しない

公売を回避するためには、公売予告通知が届くまで、滞納中の税金を放置しないことが重要なポイントとなります。滞納初期の段階で相談に行き、払いたくても払えない状況であることを説明し、「分割で払いたい」など、支払いの意思を示すことが大切です。

国税および地方税の徴収ルールを定めた法律では、督促から10日経過すると滞納者の財産を差し押さえることになっています。しかし、実際は、自発的な納税を促すために督促が複数回行われるのが通常です。この間に納税相談に行き、払えない事情を説明すれば、猶予や分割払いなどの対応をしてもらえる可能性が高いです。

公売予告通知など、各種督促を無視することは「支払う意思がない」と示すことになります。長期間に渡り滞納状態を放置すると、自治体の姿勢も強硬になるため注意が必要です。

(2)滞納している税金を一括で納付する

すでに長期間にわたり滞納しており、公売予告通知が届いている場合、分割納付が認められないことがあります。この場合は滞納分を一括で納付しなければなりません。

しかし、実際には経済的に困窮しており、一括での納付ができないことがほとんどです。

(3)家を差し押さえられたら任意売却も検討

税金の滞納で家を差し押さえられた場合、家を売却した代金で税金を一括納付することは不可能です。しかし、この場合も任意売却で家を売却できることがあります。

任意売却とは、住宅ローンや税金の滞納によって差し押さえられている家を、債権者の同意を得て売却することです。公売で売却するより高く売れることが多く、滞納分の金額より売却額が大きい場合、余剰分は自分のものとなります。

ただし、自治体や担当者によっては任意売却に同意してもらえないこともあります。その場合、任意売却に精通している不動産会社に依頼し、粘り強く交渉を行うことが大切です。

(4)住宅ローンの担保を役所が差し押さえた場合の任意売却

税金を滞納している人の方には、住宅ローンも滞納している方もいらっしゃいます。家の価格が住宅ローンの残高より低い場合や、ほとんど差がないケースでは、役所が差し押さえを行っても滞納分は回収できないためほぼ意味がありません。

しかし、こうしたケースでも国や自治体が第二順位の債権者として差し押さえを行うことがあります。債権者が複数存在する場合、売却代金の一部からハンコ代(差し押さえ解除の手数料)を支払うことを条件に、任意売却の交渉を進めます。

本来、意味のない差し押さえは「無益な差押」と呼ばれ、国税徴収法では明確に禁止されている行為です。しかし、任意売却の実務ではしばしばみられ、事態を無用に深刻化させる原因となっています。難航が予想されますので、任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社に相談することをおすすめします。

5.まとめ

公売予告通知は、名称の通り、公売の予告を通知し、自発的な納税を促すためのものです。放置すると差し押さえられた財産が公売により売却されてしまいます。

経済状況から税金を支払うのが難しい場合、猶予や分割納付が可能なこともあります。公売予告通知が到着するまで放置せず、早めに徴収担当窓口に相談しましょう。

税金の滞納により自宅を差し押さえられた場合、交渉次第では、一般市場で売却する任意売却を行うことにより公売を回避できることもあります。ただし、差し押さえの解除交渉が難航することもあるため、任意売却に精通した不動産会社に相談することが大切です。

当社は、任意売却を専門的に扱う不動産会社です。経験豊富な担当者が、ご相談者様のご希望や状況を丁寧にお伺いした上で、最適な解決方法をご提案しております。

任意売却により固定資産税の滞納による不動産の差押を解除できた事例もございますので、公売予告通知書を受け取った後でも、お気軽にご相談ください。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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