新型コロナウィルスにより給与が不安定になり住宅ローンが払えない場合の解決方法

新型コロナウィルスにより、リストラされた収入が激減したという方の相談が激増しております。
その結果、収入が不安定になり、住宅ローンの支払いが苦しくなったという相談を多く受けます。
この記事では、そのような方にとって、住宅ローンを支払わないとどのようなリスクがあるのか、また自宅に住み続ける方法や救済手段について解説します。

1.コロナの影響で住宅ローンの支払いが遅延する理由と現状

(1)失業・収入減

新型コロナウィルスの影響は、多岐にわたります。
特に、旅行業・飲食業等の影響を直接受けた業種では廃業・倒産・リストラが行われました。他業種でも、リストラまで行かなくとも、ボーナスがなくなった方もいらっしゃいます。

特に、フリーランスで働いている方にとっては仕事量が減り、収入が激減し、何ら保証のない方もいらっしゃいます。
例えば、私の元に相談に来られた方の中には、おしぼりのクリーニング業を営んでいらっしゃいましたが、飲食店の休業により仕事が激減し、自己破産された方がいらっしゃいます。

このようにコロナの影響によって、収入が不安定になり、その結果、住宅ローンの支払いが難しくなった方々が大勢いらっしゃいます。

(2)現状の数字

2021年4月の段階で、金融機関からの返済猶予を受けた人は、5万人に達しました。
これは東日本大震災の時の5倍であり、今後ますます増加すると予測されます。住宅ローン返済に困る人は未曾有の数ということが言えます。

2.住宅ローンが払えない状況を放置するリスク

まず、コロナに関わらず、住宅ローンが支払えなくなるとどうなるのか?を解説します。
住宅ローンを1・2ケ月程度滞納した場合は、銀行から催促を受けた時点でその分を支払うと解決します。うっかり口座に移し替えるのを忘れただけかもしれませんので銀行側も強く出てきません。

しかし、住宅ローンを4カ月も滞納すると、銀行から内容証明郵便が届き、「期限の利益を失い」ましたので、一括で支払ってくださいという通知が来ます。これは、住宅ローンを滞納したことにより、自宅をどうにかして借金を返済してくださいと請求してきているものであり、この状況を放置するとさらに危険度が増していきます。
イエローカード状態です。

(1)競売

では、住宅ローンの滞納し、銀行からの催促を無視し続けるとどうなるのでしょうか?
1年程度放置すると、「競売」により他の人のものとなります。競売は、強制的に家を明け渡す必要があります。

競売は、裁判所が行う公的なオークションです。銀行が競売を申し立てることにより行われます。
競売になってしまうと、問答無用で他人のものになってしまいます。最悪の結果と言えます。レッドカード状態です。

(2)任意売却

次に、競売にならずとも、任意売却という方法があります。任意売却は、競売によらずに、銀行の許可を得て、所有者自身で不動産を売却する方法を言います。ほとんどの場合には、オーバーローンとなり、住宅ローンが売却してもローンが残ってしまうことになります。

自分の意思で売却する意味では「任意」ではありますが、不動産を売却して他人のものになってしまうという点では、競売と変わりはありません。

(3) 自己破産・個人再生・債務整理などをする必要性

競売や任意売却をすると必ず自己破産をしなければならないかというとそんなことはありません。
競売や任意売却になった後も、残りの住宅ローンを支払っていくことも可能です。100万や200万円程度なら、分割で少しずつ払うことも可能でしょう。

しかし、多額の住宅ローンが残る場合、住宅ローン以外にも消費者ローン等での借り入れがある場合、賃貸マンション等に転居したが賃料の支払いに困る場合などには、自己破産などの法的手続きをする必要があります。

法的手続きの具体的内容を簡単にいうと、「自己破産は、債務を帳消しにする手続き」で、「個人再生」や「任意整理」は「債務を帳消しではなく圧縮する方法」になります。
どの方法を選ぶのかは、借入の額、収入状況等を総合的に考えて結論を出します。専門化である弁護士に相談し、最も良い方法を決定していくことになります。

3.住宅ローンの返済が難しくても自宅に住み続ける方法

コロナで収入が減り、返済が厳しくなった場合でも、競売や任意売却のように自宅に住めなくなってしまう方法ではなく、自宅に住み続ける方法はないのでしょうか?

例えば、多く相談を受けるのが、子どもが小学生であり学校区を変えたくない同級生に引っ越ししたことを知られたくないなど、自宅に住み続けたいというご要望は非常に多いです。

(1)金融機関に住宅ローンの返済猶予を相談

住宅ローンの返済が難しくても自宅に住み続ける方法の一つとして、金融機関に住宅ローンの返済猶予について相談するという方法があります。
住宅ローンの返済猶予とは、リスケジューリング(略して、「リスケ」と呼ばれる。)という方法です。

コロナ禍以外でも取り入れられていました。もっとも、コロナの影響により住宅ローンに支払いに困る方が急増した結果、金融庁は金融機関に積極的に支払猶予措置であるリスケジューリングに応じるように要請しています。

金融庁の要請
https://www.fsa.go.jp/news/r1/ginkou/20200527-ka_yousei.html

フラット35の住宅金融支援機構のHP
https://www.jhf.go.jp/topics/topics_20200323_im.html

①リスケジューリングの制度を活用

では、リスケジューリングとは何かというと、簡単にいうと1~3年程度は利息のみの支払いに据え置いて、元本の返済はしなくてよいという措置です。

例えば、今まで12万円の支払いをしており、そのうち10万円が元本で2万円が利息だとすると、月々2万円の支払いで済むということになります。 

②メリット:利息のみの支払いになり支払いが少額になる

なんといっても月額の支払い額が非常に少額となり、収入が減った方にとっては非常にありがたい措置となります。

③デメリット:支払い期間が延びる・先送りに過ぎない・支払総額は増える

据え置き措置のため、猶予期間が終わると再び元の支払いが始まります。
その時に、コロナによる収入の落ち込みが回復していれば大丈夫です。しかし、収入が元に戻っていないなら厳しい現実は変わりません。

そして、元本が減っていない分、本来支払う期間より長く返済に掛かるため、銀行に支払う総額はむしろ増えます。支払いが完了する時期も遅くなります。
例えば、70歳で支払い終える計画が73歳までの伸びることになります。

(2)減免制度の利用を検討

住宅ローンの返済が困難でも自宅に住み続けるためには、減免制度を利用するという方法もあります。
正式名称は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の新型コロナウィルス特則という名前ですが、「コロナ版ローン減免制度」と呼ばれています。

新型コロナウィルスの影響による失業や、収入・売上の減少などによって、債務の返済が困難になった個人・個人事業主を対象にして、ローンの減免をする制度です。

①減免制度の概要と利用条件

新型コロナウィルスの影響により収入が減った場合に、令和2年2月1日までの債務と令和2年10月30日までに新型コロナの対応のために負担した債務を対象として、減免が受けられる制度です。

②メリット

ア 債務が減額または免除される

減額だけでなく免除まで認められております。債務が全くなくなります。

イ 個人信用情報に記載されない

自己破産等の手続きでは、俗にブラックリストと言われている個人信用情報に事故情報が記載されてしまいます。
この個人信用情報の記載をされると、新たな借入ができなくなります。少額の携帯電話の割賦払いやオートローンも利用できなくなってしまいます。

「コロナ版ローン減免制度」を使用した場合には、個人信用情報に記載されず、このメリットは大きいと言えます。

ウ 弁護士などの支援が無料

通常の債務整理や自己破産は、弁護士に依頼すると報酬が発生します。
「コロナ版ローン減免制度」では、専門家である弁護士に依頼する費用が掛かりません。
コロナ禍で生活にも困っている場合に、弁護士費用は重くのしかかりますが、その費用が掛からないメリットがあります。

エ 保証人に請求がいかない

住宅ローンや消費者ローンにおいて、保証人がいた場合には、通常は債務者が払えない場合には、保証人に請求されます。
しかし、「コロナ版ローン減免制度」を利用した場合には、保証人への請求はありません。

オ 手元に99万円は残せる

自己破産した場合にも99万円までの現金を残すことができますが、「コロナ版ローン減免制度」の場合にも同じように99万円を残すことができます。

カ 自宅に住み続ける可能性がある

「コロナ版ローン減免制度」を利用した場合、個人再生の住宅ローン特則と同じように、住宅ローンについては支払いを続けることにより、自宅に住み続けることが可能です。

②デメリット

ア 債務整理であること(強制力はない)

「コロナ版ローン減免制度」は、簡易裁判所の特定調停手続を利用します。
内容は、債務整理の手続きです。債務整理は、債権者にお願いをして承諾を得ることで成立します。
一方的な強制力はありません。相手が応じてくれるかどうかにかかってきます。

イ 「制度が複雑」「条件が厳しい」

制度が複雑であり、条件が厳しいため、あまり知られておらず、弁護士も知らない・知っていても利用しないという状況です。

ウ 借入期間が限定的

令和2年2月1日までの債務と令和2年10月30日までに新型コロナウィルスのために、借入をした場合に限られます。
令和2年11月以降に借入をした場合には、適用はなく、新型コロナウィルスのために借入をしても適用されません。

(3)親族間売買を検討

コロナ禍だけではなく、住宅ローンの返済に困った場合に住み続ける方法として有益な方法が親族間売買です。
親から子に売却することを特に親子間売買と呼びます。息子が購入することで、親の住宅ローンを返済し、家族で住み続けることが可能になります。

しかし、購入する際の住宅ローンの審査が非常に厳しく、我々のような親族間売買のプロでなければ住宅ローンを組めないというのが実情です。

(4)リースバックを検討

自宅を売却し、売却したお金で住宅ローンを返済し、購入した方から借りる(リースする)ことで、自宅に住み続ける方法です。
賃料が発生するデメリットがあります。また賃料を払い続けていても将来自分の物になるわけではありません。

購入するのは投資家などであり、購入価格と賃料が見合わない場合には成功しません。
住宅ローンを全額返済できる価格で売却できれば、自宅に住み続けることができます。

4.まとめ

新型コロナウィルスにより給与が不安定になり住宅ローンが払えない場合には、法律の知識や不動産の知識など専門知識を駆使して対処することが、大切な自宅を維持するためには非常に重要なポイントとなります。ノウハウも持っており、弁護士等にもワンストップで相談できる体制が整っている専門家に相談することが大切です。

監修者: 井上悠一

クラッチ不動産株式会社代表取締役。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室代表理事。立命館大学法科大学院修了。司法試験を断念し、不動産業界に就職。住友不動産販売株式会社株式会社中央プランナーを経て独立、現在に致る。幻冬舎より「あなたを住宅ローン危機から救う方法」を出版。全国住宅ローン救済・任意売却支援協会の理事も務める。住宅ローンに困った方へのアドバイスをライフワークとする。

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