住宅ローン滞納時の相談先・状況に適した相談先の選び方と注意点

相談先

住宅ローンの滞納が続いている状態をそのまま放置すると家を競売にかけられてしまいます。しかし、住宅ローンの支払いが困難になった際、「どこに相談すればわからない」と悩んでしまう方も少なくありません。

この記事では、住宅ローンの滞納が続き、支払いが困難な状況に陥った場合の相談先と適切な対処法について解説します。

1.住宅ローンを払えないときの選択肢

住宅ローンの返済が難しい場合、どのような選択肢があるのでしょうか。具体的な選択肢について説明します。

(1)金融機関に相談して支払いを調整してもらう

住宅ローンの返済が難しくなった場合、まずは金融機関に相談しましょう。

住宅ローンの貸付を行っている金融機関の多くは、早めに相談すれば、柔軟に対応してくれます。金融機関で返済スケジュール等を調整してもらうことにより、家を失わずに済む可能性が高まります。また、返済を猶予してもらえる場合もあります。

金融機関に相談するメリットや相談のタイミングについては、後ほど詳しく説明します。

(2)家を売却して代金で一括返済する

ローンの残高より家の売却価格の方が高い場合、家を手放すことでローンを完済することが可能です。住み慣れた自宅を売却したくないという方もいらっしゃるかと思いますが、経年によって資産価値が下落する前に売却することで、経済状況の悪化を防げることもあります。

なお、依頼する仲介業者によって売却価格に差が出ることも多いです。売却の際は、複数の不動産会社に査定を依頼し、価格や対応を比べることをおすすめします。

(3)多重債務のケースは個人再生ができることも

住宅ローン以外にも借金があり、多重債務に陥っているために住宅ローンの返済が滞っている場合、個人再生を利用することにより自宅を失わずに債務を整理できる可能性があります。

個人再生とは、裁判所を介して債務を削減・整理することで借金を軽減し、経済状況の回復を図る手続きのことです。状況によっては7割から8割程度の減額が可能なこともあります。

個人再生には「住宅ローン特則」という特例が用意されています。住宅ローン特則を利用することにより、自宅を失わずに借金を減額できるというメリットがあります。ただし、個人再生では原則として3年間(最長5年間)で残債の完済を目指すため、毎月の返済額が増加する場合もあるという点には注意が必要です。

参考URL:個人再生手続利用にあたって | 裁判所

(4)オーバーローン時は任意売却を検討

住宅ローンの残債より家の見込み売却価格が低く、売却してもローンを完済できない状態を「オーバーローン状態」といいます。オーバーローンの場合でも、債権者の許可を得た上で任意売却を検討することは可能です。

任意売却は、売却後も残債が残るなどデメリットもありますが、競売と比較して高く売れる、スケジュールの調整が可能など、精神的・経済的負担の少ない売却方法です。

参考記事:競売と任意売却の価格差は?競売の方が安くなる理由も解説

2.住宅ローンの滞納はまず金融機関に相談

住宅ローン滞納の相談が可能な機関はいくつか存在しますが、まずは住宅ローンを借り入れている金融機関に相談しましょう。

金融機関への相談をおすすめする理由、相談のタイミングなどについて説明します。

(1)ローン滞納に柔軟に対応するよう金融庁が指導している

「住宅ローンを滞納してしまうなんて恥ずかしい」などと思われる方は多くいらっしゃいますが、住宅ローンの返済で困窮する人は決して少なくありません。特に、コロナ禍においてその件数は急増しており、政府もこの状況を重く見ています。

住宅ローンを取り扱う金融機関に対して、返済に困っている契約者に対して柔軟に対応するよう、金融庁から指導が出ています。早めに相談すれば柔軟に対応してもらえる可能性が高いので、安心して相談してください。

参考:住宅ローン等に係る要請について|金融庁

(2)住宅ローンの三種類の猶予

契約者が住宅ローンの返済について相談した際、金融機関では主に「返済を猶予する」という形で対応します。猶予にはおおむね3つのパターンがあり、金融機関と相談の上、自分の状況に適したものを選ぶことになります。

フラット35の場合を例に、詳細を見てみましょう。

参考:返済方法の変更:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

①返済期間の延長

返済の総期間を延長し、月の返済額を抑える方法です。現在の返済額の満額を払うのが難しい場合に適しています。

ただし、返済期間が延びる分、利息が発生する期間も増加するため、総返済額は変更前のプランより多くなります。

②返済額の一時減額

一時的に返済額を減額してもらえる場合もあります。現在勤めている職場における一時的な待遇の悪化や仕事の減少など、将来的には経済状況が回復する可能性が高い場合に有効です。

ただし、この場合も、返済の一部を先送りすることになるため、債務の総額は増えることが多いです。

③ボーナス返済額の変更

ボーナス月の返済額増加の停止や減額という方法もあります。

ボーナスで支払いを行う予定だったのに会社の業績が悪化してカットされてしまった場合などに適しています。

(3)金融機関への相談はいつまでにすればいい?

金融機関への猶予の相談は、滞納開始前にしておくのが望ましいでしょう。

相談の期限については明確なルールがあるわけではありませんが、目安となるのは住宅ローン滞納から3か月までです。この期間内に相談すれば、返済条件の変更に応じてもらえる可能性があります。

この時点を超え、手元に「催告書」が到達している場合、金融機関は既に代位弁済(保証会社による一括返済)の準備を始めていることが多く、窓口で相談しても猶予を受けられない可能性が高いです。

3.調整後も返済が難しい場合は不動産会社に相談する

金融機関に返済スケジュールを調整してもらっても支払いが難しい場合や、滞納3か月目までに金融機関に相談できなかった場合、次の相談先として適しているのは不動産会社です。

この場合、金融機関は家を競売にかけることで債権を回収しようとするため、「いかに競売を回避して有利に解決するか」がポイントとなります。では、不動産会社に相談することでどのようなメリットを得られるのでしょうか。

(1)売却を含めた複数の選択肢を提案

住宅ローン滞納問題に詳しい不動産会社の場合、売却だけではなく、状況に応じた様々な選択肢を提案できます。

「そもそもどのような選択肢があるかわからない」ということも多いため、信頼できる専門家によるサポートを受けることが問題解決への近道となります。

(2)滞納の末の競売を回避できる

住宅ローン滞納問題に詳しい不動産会社に相談することにより、競売による強制的な自宅の売却を回避できるという大きなメリットを得られます。競売は、所有者にとってデメリットや精神的負担が大きく、家の売却方法としては決しておすすめできるものではありません。

競売の主なデメリットは以下の通りです。

  • 家の情報がインターネットで公開される
  • 売却価格は相場の5割から7割ほど
  • 明け渡しや現況調査の日程を調整できない
  • 対応できなければ無理やり家に立ち入られる
  • 期日に間に合わないと強制執行による明け渡しが実行される

住宅ローン滞納問題に精通した不動産会社に相談して競売以外の方法で売却できれば、より有利かつ負担の少ない進め方に調整できます。

(3)家に住み続けられる可能性もある

意外に思われるかもしれませんが、住宅ローン滞納問題に詳しい不動産会社に相談することにより、状況によっては売却後も今の家に住み続けられる方法を提案してもらえる可能性もあります。

通常、任意売却では一般的な不動産売買と同じように売却を行います。そのため、家は他人のものとなり、住み続けることはできません。しかし、リースバック、親族間売買という二つの方法なら、家に住み続けられる可能性があるのです。

①リースバック

売却後に賃貸住宅として引き続き住み続ける方法です。自宅の売却先を、リースバック会社や個人の不動産投資家に限定することで、売却後も今まで通り住み続けることが可能となります。

リースバックでは、売却時の代金と売却後の家賃は比例します。そのため、ローン残高を考慮しながら、いかに無理のない家賃で折り合いをつけるかがポイントとなります。

リースバックについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。

関連記事:リースバックと賃貸の違いは?判断基準と利用時の注意点

②親族間売買(親子間売買)

親族間売買は、住宅の売却先を、他人ではなく親族にした不動産取引です。親子間で売買することが多いため、親子間売買とも呼ばれます。売却後は無償・または安く住み続けられることが多いため、売り主にとってメリットが大きい売却方法といえます。

親族間売買では、家の資産価値と、購入者(子供)の住宅ローン審査がポイントとなります。詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。

関連資料:親族間売買で住宅ローンの利用が難しい理由・審査に通らない際の対処法は?

(4)残債の返済までサポートを受けられる

住宅ローン滞納問題に詳しい不動産会社に売却を依頼すると、売却後に発生する残債処理のサポートを受けられるというメリットも得られます。

競売で売却を行った場合、残債の処理に関しては自分で解決しなければなりません。分割払いを希望する場合は債権者との交渉が必要ですが、これも一人で行うことになります。

当社は法律事務所と提携していて、任意売却後の残債処理に関するサポートも行っています。「無理のない金額で分割返済したい」「自己破産で再スタートしたい」など、ご希望をお伺いした上で、専門家のサポートを受けながら、最適な処理方法を一緒に模索していきます。

4.まとめ

住宅ローンの支払いが困難になったら、早めに金融機関に相談することが大切です。早めに相談すれば返済の猶予や一時減額に応じてもらえる可能性があり、家を失わずに経済状況の回復を図ることにつながります。猶予を受けても返済が難しい場合は、住宅ローン滞納問題に詳しい不動産会社に相談することをおすすめします。

当社は、数多くの任意売却を手掛けてきた住宅ローン滞納問題を専門的に扱う不動産会社です。ご相談者様のご希望や状況を丁寧にお伺いした上で、任意売却だけではなく、その先の生活再建まで見据え、最適な解決方法をご提案します。「競売だけは回避したい」「住宅ローンを払えないけれど、今の家に住み続けたい」など、さまざまなご相談に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

こちらでは、当社での相談から解決までの流れを紹介していますので、参考にしていただければと思います。

参考URL:相談から解決までの流れ

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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