住宅ローンと教育費の支払いで家計が苦しい場合の対処法・専門家への相談が必要なケースは?

住宅ローンと教育費の支払いで家計が苦しい場合の対処法・専門家への相談が必要なケースは?

住宅ローンと教育費は、多くの家庭にとって大きな負担となる要素です。子どもの成長に伴い、教育費の支出が増えて、家計の負担が大きくなり、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、住宅ローンと教育費の支払いで家計が苦しくなった場合の対処法にとして、住宅ローンと教育費の見直し、家計の見直し、専門家への相談が必要なケースなどについて解説します。

1.住宅ローンと教育費の平均額

住宅ローンと教育費の負担について見直しをする前に、まずは住宅ローンの教育費の平均額について知ることから始めましょう。

それぞれの平均額を知ることで、必要な教育費と住宅ローンの負担度合いを把握できます。

(1)住宅ローンの平均支払額

国土交通省の調べによると、新築の注文住宅の場合で土地の購入と建築費用を併せた全国平均額は5,436万円、三大都市圏で6,787万円が平均とされています。

そのうち、自己資金は全国で1,665万円、三大都市圏で2,365万円が平均となり、残りを住宅ローンで借入れしていることが分かっています。

そして、住宅ローンの返済期間は、全国・三大都市圏ともに35年以上が多く、平均は32.8年とされています。年間の返済額としては、全国平均で174万円、三大都市圏の平均で183.1万円です。

参考:国都交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」

(2)教育費の平均額

子供の教育費の平均額は、公立と私立で異なります。

  公立 私立
幼稚園 165,126円 308,909円
小学校 352,566円 1,666,949円
中学校 538,799円 1,436,353円
高等学校 512,971円 1,054,444円
大学 2,400,000円 5,400,000円

参照:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

参照:文部科学省「国立大学と私立大学の授業料等の推移」

上記の表から見て分かるように、子供が全て公立の学校に通うとしても高等学校までで約156万円がかかることになります。

そこから私立の大学に進学するとなれば、540万円と多額の学費が必要になり、合計で700万円近く子供の養育費にかかります。

2.住宅ローンと教育費の見直し

教育費用は、多くの家庭にとって重い負担となっています。特に住宅ローンを抱える家庭では、教育費用が家計を圧迫することが少なくありません。

そのような状況に陥った場合、まずは住宅ローンと教育費の見直しから始めるとよいでしょう。

(1)住宅ローンの見直し

住宅ローンを見直す場合、3つの選択肢があります。
それぞれの方法のメリット・デメリットも把握した上で、検討するようにしましょう。

①リスケジュール

金融機関にリスケジュールの相談をすることで毎月の負担を軽減できる可能性があります。リスケジュールとは返済方法の見直しのことです。住宅ローンの返済期間を延長することにより、毎月の返済金額を減額できる可能性があります。ただし、滞納が続いている状態では金融機関の承諾を得られない可能性があるため、できる限り早い段階で相談することが大切です。

②借り換え

利用している住宅ローンの金利が高い場合は、他の金融機関へ借り換えをすることで、利息負担を減らせる可能性もあります。住宅ローンの金利が借入時よりも下がっている場合や、ご自身の信用スコアが向上している場合は、借り換えを検討するとよいでしょう。借り換えを検討する際は、複数の金融機関の条件を比較することが重要です。利息負担だけではなく、返済期間や手数料なども考慮して、最適な条件のローンを選びましょう。

③繰上げ返済

住宅ローンには、元金の一部を繰り上げて返済する繰り上げ返済があります。繰上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があり、教育費によって住宅ローンの返済負担が重くなっている場合には、「返済額軽減型」の利用を検討すると良いでしょう。

返済額軽減型は、返済期間を変えずに毎回の返済額を少なく繰上げする返済方法です。子供の成長に伴って教育費用が増えるため、返済期間を短くするよりも毎月の返済額の負担を減らしたい場合に向いています。

ただし、変動金利型の住宅ローンの場合は、返済額が少なくならないケースもあるので注意が必要です。

(2)教育費の見直し

子供の将来を考えると、教育には十分な投資をしたいと考えることは、親として当然のことかもしれません。子どもが高額な学費のかかる私立の学校への進学を希望しているなら、希望どおり進学させてあげたいと願う方も多いでしょう。しかし、子どもの教育費が家計を圧迫することは避けたいところです。

教育費を抑えるためには、奨学金や教育ローンの活用を検討してみるとよいでしょう。

奨学金は、学生が大学や専門学校での学費を支払うために利用できます。返済期間が長く、利子も低い場合が多いため、利用する価値は高いといえるでしょう。

教育ローンは、教育費用を支払うために借りることができるローンです。一部の金融機関では、低金利や無利息期間を設定しているものもあります。教育ローンを活用することで、一時的な負担を軽減し、教育費用を支払うことができます。

また、教育費を予め計画することも重要です。教育費用を月々の予算に組み込むことで、家計のバランスを保つことができます。

3.家計の収支の見直しによる対処法

家計の負担を減らすためには、家計管理を徹底することも大切です。毎月の収入と支出をしっかりと把握し、必要な支出と無駄な支出を見極めましょう。

家計の収支を見直す際のポイントを紹介します。

(1)光熱費・通信費の見直し

まずは光熱費や通信費を見直しましょう。光熱費や通信費は大きな固定費の一つなので、光熱費や通信費を削減することで、家計に余裕を持たせることができます。

通信費については、本当に必要な通信量やオプションを確認し、不要なものは削除しましょう。また、Wi-Fi環境を活用することで、データ通信量を減らせる可能性もあります。通信会社のキャンペーンや割引サービスなどもチェックしてみるとよいでしょう。

また、電気代を節約するための工夫も大切です。家の中の電気を使わない時は、必ず電源を切るようにしましょう。また、エアコンや暖房器具の設定温度を一度下げるだけでも、大きな節約につながります。ガス代についても、給湯器の設定温度も下げることで、節約効果が期待できます。

(2)保険料の見直し

保険料も家計の固定費の一つですが、見直しをすることで負担を軽減できる可能性があります。まずは、保険の内容を見直しましょう。自分や家族の現在の状況に合わせて、必要な保険と不要な保険を見極めることが大切です。また、保険会社やプランの比較を行い、よりお得な保険に乗り換えることも検討してみてください。

(3)食費削減のための工夫

食費は家計の中でも大きな出費の一つですが、食材の無駄を減らすことで食費を大幅に削減できる可能性があります。まずは、食材の管理を徹底しましょう。賞味期限の近い食材を優先的に使い、余った食材を有効活用する工夫をしましょう。また、週に一度の食材のまとめ買いや、安売りや特売情報を活用することもおすすめです。さらに、食材の保存方法にも注意し、効率的に使うことで節約効果が期待できます。

無駄遣いを徹底的に省くためには、買い物リストを活用するとよいでしょう。まずは、買い物前にリストを作成しましょう。必要なものを書き出すことで、無駄な買い物を防ぐことができます。また、買い物前に食材や日用品の在庫を確認し、必要なものだけを購入しましょう。

また、買い物の際は、スーパーやドラッグストアのチラシや広告をチェックしましょう。特売情報や割引クーポンが掲載されていることがあります。オンラインショッピングをする際も、割引コードやポイントを活用することをおすすめします。定期的に行われるセールやバーゲンなどもチェックしておくとよいでしょう。

(4)趣味や娯楽費を抑えるための工夫

趣味や娯楽費も家計の中で大きな出費の一つですが、工夫することで抑えることができます。まずは、趣味や娯楽にかける毎月の予算を決めましょう。毎月の予算を決めることで、無駄な出費を抑えることができます。また、無料の娯楽を探すこともおすすめです。公園でのピクニックや図書館での本の借り出し、無料イベントの参加など、楽しむことができる方法はたくさんあります。

(5)収入アップを目指す

支出を減らすのではなく、収入を増やすことにより、家計の収支を改善するという方法もあります。例えば、現在の仕事以外に、新しい仕事や副業を始めることで、収入を増やすことが可能です。副業は追加の収入源を確保するための効果的な方法です。自分のスキルや趣味を活かして、フリーランスの仕事やリモートでできる副業を探すことで収入を得られる可能性があります。最近は、テレビCMでもおなじみの「ココナラ」など、Web上で副業を探せるプラットフォームが増えているので、活用するとよいでしょう。

収入アップのためには、スキルの向上や資格取得に取り組むのもよいでしょう。スキルアップすることで、今より高い給与や昇進の機会を得られる可能性が高まります。

4.住宅ローンの悩みを解決する方法

住宅ローンの負担があまりにも大きいため、住宅ローン自体をどうにかしたいと考えるのであれば、自宅の売却を検討することになります。
自宅を売却する場合、アンダーローンとオーバーローンの状態では対処法が異なります。

(1)アンダーローンの場合

アンダーローンとは、家の価値が住宅ローンの残債を上回っている状態です。
アンダーローンならば自宅を売却することで住宅ローンを完済することができ、場合によってはまとまった資金が入ります。
この資金で引っ越しすることもできますし、子供の教育費に充てることもできます。

(2)オーバーローンの場合

オーバーローンとは、家の価値が住宅ローンの残債を下回っている状態です。
オーバーローンの場合は、手持ちの資金で住宅ローンの残債を完済できないと、抵当権を外せないため、通常方法で売却することはできません。ただし、金融機関に売却の合意を得て任意売却することは可能です。

5.専門家への相談が必要なケースと相談先

自分たちの力だけで解決が困難な状況に陥っている場合は、専門家への相談が必要となります。専門家への相談が必要なケースについて説明します。

(1)見直しをしても状況が改善されない場合

住宅ローン、教育費、家計の見直しをしてみたけれど、状況が改善されない場合、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで適切な解決策を見つけられる可能性があります。

ファイナンシャルプランナーは、家計の現状を分析し、収入や支出のバランスを考慮しながら、最適な解決策を提案してくれるでしょう。また、住宅ローンや教育費に関する幅広い情報を提供してもらうことで、自分たちでは思いつかない解決策を見つけることができるかもしれません。

(2)自宅を競売にかけられそうな場合

既に住宅ローンの滞納が続いている場合や、自宅に競売開始決定通知が届いた場合などは、そのまま放置すると最終的に自宅を競売にかけられてしまうので、早めに専門家に相談することが大切です。

競売を避けるために、家の売却を検討したけれど、自宅を売却しても住宅ローンの全額を返済できない「オーバーローン」の状態では、通常の方法で売却することはできません。この場合、任意売却という方法で競売を回避することが可能です。

任意売却とは、債権者である金融機関の許可を得て売却を行い、売却額をローン返済に充てます。任意売却は通常の売却と同様の一般市場で売却されることになるため、競売よりも高額での売却が期待できます。そのため、競売を回避するための手段として、多くの人に利用されています。ただし、競売を回避するために任意売却をする場合は、開札期日の前日までに任意売却を完了しなければならないため、任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社に相談しながら進めることが大切です。

住宅ローンの支払いが難しいけれど、今の家に住み続けたいというケースもあるでしょう。そのような場合、リースバックという方法により解決できる可能性があります。リースバックとは、投資家やリースバック会社に自宅を売却し、賃貸契約を結んで住み続ける方法です。「住宅ローンの支払いが難しい状況に陥っているけれど、今の家に住み続けたい」という方に選ばれています。

ただし、リースバックにはさまざまな注意点があり、適さない場合もあるので、検討する際はリースバックの実績を豊富に持つ不動産会社に相談することが大切です。

まとめ

この記事では、住宅ローンと教育費の支払いで家計が苦しくなった場合の対処法にとして、住宅ローンと教育費の見直し、家計の見直し、専門家への相談が必要なケースなどについて解説しました。

住宅ローン、教育費、家計の見直しをしても家計が苦しい状況が続く場合は、早めに専門家に相談することが大切です。

当社は、住宅ローン滞納問題を専門的に扱う不動産会社です。ご相談者様の状況やご希望を丁寧にお伺いした上で、最適な解決方法をご提案します。

「競売だけはなんとか回避したい」「住宅ローンを払えないけれど、今の家に住み続けたい」など、さまざまなご相談に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

こちらでは、当社での相談から解決までの流れを紹介していますので、参考にしていただければと思います。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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