住宅ローンのボーナス払いがきつい場合の対処法と注意点を解説

ボーナス払い

住宅ローンを組む際、多くの方はボーナス月の支払いを設定しますが、会社の経営状態の悪化などによりボーナスが減って、ボーナス月の支払いが負担になるというケースは少なくありません。

住宅ローンのボーナス払いがきつい場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

今回は、住宅ローンのボーナス払いがきつい場合の対処法や、支払えない場合の注意点などについて解説します。

1.住宅ローンのボーナス併用払いとは

住宅ローンの返済方法には、毎月一定額を返済する毎月払いと、年2回のボーナス時に増額して返済するボーナス併用払いという2つの種類があります。

まずは住宅ローンのボーナス併用払いのメリットとデメリットなどについて説明します。

(1)ボーナス併用払いは毎月の返済負担を軽減する

住宅ローンの返済をボーナス併用払いにすれば、毎月の返済に加えてボーナス支給時の返済額を増やして返済することになります。

そのため、毎月一定額を返済する毎月払いよりも月々の返済額の負担が軽減されるというメリットがあります。

一般的な会社員は年2回会社からボーナス(賞与)を受け取り、収入が増えます。その分を住宅ローンの返済に充てると家計の負担が少なくなるため、住宅ローンのボーナス併用払いを利用する方は多いです。

(2)ボーナス払いは利子が増える原因になる

ボーナス併用払いは毎月の返済額の負担を軽減できるというメリットがある反面、最終的な返済総額が増えるというデメリットがあります。

住宅ローンの利子は元金に対して月割りで発生します。元金の返済が進まなければ利息は高く、返済が進むほど利息が減って元金の割合が高くなるという仕組みです。ボーナス返済部分は半年に一度なので、元金の減りが遅くなってしまいます。

つまり、元金と利息の支払いを引き伸ばしていることになるため、利子が増えることで返済総額が増えることになります。

2.住宅ローンのボーナス払いがきつい場合の対処法

会社の業績悪化によるボーナスの減額などが原因で、住宅ローンのボーナス払いが途中から困難になるケースは多いようです。しかし、ボーナスが減ってボーナス払いが難しくなったからといって返済せずに放置した場合、最終的に自宅が競売にかけられてしまう恐れがあります。

住宅ローンのボーナス払いがきつくなった場合の適切な対処法について説明します。

(1)ボーナス払いの割合を減らす

住宅ローンを借りている金融機関へ相談すれば、リスケジュール(返済方法の見直し)を検討してもらえます。ボーナスが減額された場合は、ボーナス払いの割合を減らすことでボーナス月の負担を軽減できます。

ボーナスは会社の売上や個人の実績などに応じて支給されるもので、景気の影響も受けて金額が変動します。そのため、住宅ローンでボーナス併用払いを選択する際は、できる限り毎月の月払いの返済額を多く設定し、ボーナス払いの割合を低くすることが望ましいといえます。

(2)ボーナス払いを停止する

ボーナス払いがきつくなったのであれば、ボーナス払いを停止するという方法もあります。

ボーナス併用払いで契約した場合は返済方法の変更ができないと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的な住宅ローンではボーナス払いを停止して月払いのみに変更することが可能です。

ただし、返済方法を変更する際には手数料が発生することもあるため、あらかじめ金融機関に確認するようにしましょう。

3.住宅ローンのボーナス払いを変更するための手順

住宅ローンのボーナス払いを変更する際の手続きの内容は金融機関によって異なりますが、基本的には以下のような流れで手続きを進めます。

(1)金融機関に相談する

まずは住宅ローンの借入先の金融機関にボーナス払いの変更について相談します。

金融機関に相談すれば、返済方法を変更した後の支払いシミュレーションや借入れ内容について説明を受けることができます。変更後のシミュレーションを見ながら、無理なく支払いを続けられるのか確認しましょう。

(2)申し込み書類の提出

支払いシミュレーションの内容に問題がなければ、金融機関の指示に従って必要な書類を提出します。必要な書類は金融機関によって異なりますが、一般的には住宅ローン契約書、収入証明書などが必要です。

金融機関によっては手数料が発生する場合もあるため、手数料の金額や支払い方法も事前に確認しておきましょう。

(3)審査

申し込み書類を提出後、審査が行われます。

今後の支払いに問題がないか審査され、問題がないと判断された場合は承認されます。

(4)審査結果の通知

契約内容の変更の審査が終了した後、借入先の金融機関より変更の可・不可が通知されます。審査に通れば変更の契約が締結され、新しい返済予定表も送付されます。

4.住宅ローンの支払いが困難になった場合の対処法

住宅ローンのボーナス払いが厳しい状況に陥っている場合、ボーナス月の支払いだけではなくボーナス月以外の返済にも問題がないか確認しましょう。

ボーナス月以外の返済にも支障をきたしている場合、ボーナス月以外の返済も含めて、全体的な見直しが必要になります。その場合の具体的な対処法について説明します。

(1)家計を見直す

最初に行うべきことは、家計の見直しです。

家計の支出は大きくわけると、固定費と変動費があり、家計の見直しの際に着目すべきなのは固定費です。

固定費は住宅ローンを含め、携帯料金や水道光熱費、保険料など毎月支出される費用になります。例えば、スマホの契約プランや加入する保険の内容の見直しを行えば、毎月の固定費を削減できるかもしれません。

固定の削減は毎月の家計の支出を抑えることにつながります。毎月の支出を抑えることができれば、住宅ローンの支払いを無理なく続けられるようになる可能性もあります。

(2)リスケジュールの相談をする

家計の見直しをしても住宅ローンの返済が厳しい状態だという場合は、借入先の金融機関へ相談することを検討しましょう。

多くの金融機関では、住宅ローンでの返済が滞ることを避けるために、リスケジュール(返済スケジュールの見直し)に対応しています。

リスケジュールには、ボーナス払いの金額の変更や停止だけではなく、借入期間の延長や、一時的な返済の減額などの方法があります。リスケジュールを行うことによって毎月の返済額が減額されることにより、返済を続けられるようになる可能性もあります。

(3)借り換えを検討する

住宅ローンの借り換えをすることも返済負担を軽減する手段の一つです。

現在借りている住宅ローンの金利が高い場合や、より有利な条件の住宅ローンが見つかる場合には、借り換えによって返済負担を軽減できる可能性があります。金利が下がれば返済総額が減額されますし、借り換える際に返済期間を延長できる可能性もあります。

ただし、借り換えするということは新たに住宅ローンを組むことになるため、審査に通らなければなりません。また、手数料等も発生するため、返済シミュレーションをしっかり行い、慎重に判断することが大切です。

(4)任意売却する

リスケジュールや借り換えを検討した結果、住宅ローンの返済を続けることが難しいと判断した場合は、任意売却するという方法もあります。

任意売却とは、債権者の承諾を得た上でオーバーローン状態の自宅を売却する方法です。通常は、住宅ローンの残債が住宅の売却価格を上回るオーバーローン状態では、家を売却することはできませんが、任意売却という方法なら売却が可能です。

ただし、任意売却を成功させるためには、任意売却の経験を豊富に持つ不動産会社のサポートが不可欠です。任意売却をする場合は不動産会社選びが大切なポイントとなります。公式サイトの実績をしっかり確認した上で、実際に相談をして慎重に選びましょう。

5.住宅ローンのボーナス払いが支払えなくなった場合の注意点

住宅ローンのボーナス払いが支払えなくなった場合は、以下の点に注意してください。

(1)放置しないで早急に銀行へ相談する

住宅ローンのボーナス月の支払いができない場合、そのまま放置してはいけません。

住宅ローンを滞納する前に借入先の金融機関へ相談しましょう。金融機関へ相談すれば、リスケジュールに応じてもらうことにより、無理なく住宅ローンを返済できるようになる可能性があります。

滞納を続けてから金融機関へ相談した場合、リスケジュールを認めてもらえない可能性が高くなるので、可能な限り早い段階で相談することが重要です。

(2)滞納を続けると自宅を失うことになる

住宅ローンのボーナス払いを支払えず、滞納を続けてしまうと、金融機関から督促状や催告状が送られてきます。督促を無視していると、最終的には自宅を競売にかけられてしまいます。競売にかけられると、一般市場よりも安い金額で自宅が売却され、残債を一括返済するように請求されます。一括返済できなければ自己破産などの債務整理が必要になる可能性もあります。

このような事態を避けるためには、任意売却で少しでも高額に売却するなどの対処法を早急に考える必要があります。

まとめ

住宅ローンのボーナス払いがきつい場合には、ボーナス払いの割合の変更や停止などの手続きによって返済負担を軽減することが可能です。しかし、ボーナス月以外の返済が厳しくなってきている場合は、リスケジュールや任意売却などの方法も検討すべきでしょう。このような住宅ローンに関する問題を抱えた際は、一人で悩まずに、金融機関や信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

当社は、住宅ローン滞納問題を専門的に扱う不動産会社です。ご相談者様の状況やご希望を丁寧にお伺いした上で、最適な解決方法をご提案します。

「住宅ローンの支払いが難しい状況だけど、今の家に住み続けたい」などというご相談にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

「払えない」「住み続けたい」今すぐご連絡ください! 任意売却・リースバックの無料相談はこちら

0120-279-281
24時間受付 メールでのご相談はこちら