任意売却の進め方とスケジュール・事前準備や注意点も解説

任意売却のスケジュール

任意売却は、通常の不動産売却とは異なるため、どのように進めればよいか戸惑う方もいらっしゃるかと思います。任意売却では一般の不動産市場で売却を行うため、売却自体の準備や進め方は共通していますが、事前準備と売却後の手続きに違いがあります。

この記事では、任意売却のスケジュール、着手前にやるべきこと、任意売却ができないケースと対処法などについて解説します。

1.任意売却のスケジュール

任意売却の検討から売却の終了までどのように進むのか、8つのフェーズに分けて説明します。

(1)現状の把握と書類の準備

任意売却を検討する際、最初にやるべきことは、自分の現状を把握することです。

まずは、現在のローンの滞納状況を把握しましょう。この点が不明だと、任意売却に使える期間がどの程度残されているかわかりません。金融機関からの督促状や代位弁済通知書、裁判所からの書類などがあれば、一番最近届いたものを取っておきましょう。

また、建物や土地の状態がわかる書類があれば、こちらも併せて用意しておいてください。建物の図面や土地の測量図、建築確認済書などがないか探しておきましょう。このような書類は、不動産会社に相談する際、自宅の状況を理解してもらうために役立ちます。

(2)不動産会社への連絡と初回相談

準備と同時に、任意売却を依頼する不動産会社探しを進めます。インターネットなどを利用して任意売却の実績が豊富な不動産会社を探し、候補をピックアップしてみましょう。

任意売却の相談先の選び方についてはこちらの記事にまとめましたので、参考にしていただければと思います。

参考記事:任意売却業者の選び方・悪徳業者の特徴も紹介

(3)自宅の査定

任意売却をすることに決まった場合、ご自宅にどの程度の価値があり、いくらで売れそうか確認します。

より正確な査定価格を算出するために、現地での訪問査定が行われることも多いです。その場合は、所有者の方の立ち合いが必要となります。

(4)債権者との交渉

査定価格が算出できたら、査定結果を携えて債権者と交渉を行います。債権者が誰になるのかはタイミングによって異なりますが、多くの場合、保証会社か債権回収会社(サービサー)、税金の滞納があれば自治体の税務担当者となります。

交渉では、任意売却を行うことで競売より高く売れること、債権者の回収額も増えることなどを説明し、任意売却の許可を得ることを目指します。債権者が複数存在する場合などは利害関係が複雑化して交渉の難度も上がるため、経験豊富な不動産会社の腕の見せ所となります。

※売出価格は、査定書の内容を踏まえ、債権者側が売出価格を指定することが大半を占めます。

(5)売却活動を行う

無事、任意売却の許可を得られたら、いよいよ売却活動が始まります。任意売却の売却活動は、通常の売却と同様に一般市場で行われます。最終的には任意売却である旨を購入希望者に伝えますが、任意売却であるという事実がサイトなどで公開されることはありません。そのため、競売とは異なり、経済状況が悪化したために売却することを他人に知られる心配はありません。

(6)内見対応

購入希望者が現れたら、いよいよ内見です。

内見の結果は購入を決める重要な要素なので、購入希望者が家の中を気持ちよく見学できるよう、各部屋の片づけや整頓をしておきましょう。この時点で引越しが決まっているのであれば、荷物の処分や整理を先行して進めておいてもよいでしょう。

(7)契約締結・決済

内見の結果、無事に購入の申し出が入ると、売買契約の締結に移ります。当事者間で価格の合意ができれば、債権者と再度協議して、売却価格と配分案(売却代金の内訳)と抵当権の解除に対する最終的な合意を取ります。

通常の売買では、契約締結の時点で着手金が発生することが一般的ですが、任意売却では着手金なし、または不動産会社の預かりとすることが多いです。

債権者の合意が取れ、代金の決済が完了すると、所有権の移転と抵当権の解除を行い、正式に引渡しとなります。

(8)残債処理

任意売却は、オーバーローン状態での担保不動産の売却なので、ほとんどのケースで残債が発生します。そのため、残債をどのように処理するかも重要です。

自己破産か少額ずつの分割払いを希望される方が多いですが、経済状況に応じて無理のない処理方法を検討するとよいでしょう。なお、債権者の意向次第では、残債の一部免除が認められることもあります。

2.任意売却を進める前にやるべきこと

住宅ローンを払えなくなったからといって、必ずしも任意売却が適しているとは限りません。任意売却の準備に着手する前にやるべきことについて説明します。

(1)金融機関に猶予の相談をする

まず、滞納の発生前、または滞納初期の時点で、金融機関に返済が苦しい旨を伝えて、返済猶予の相談をしましょう。経済状況の悪化が一時的なものである場合、猶予を受けることにより状況が好転する可能性もあります。

金融機関は、滞納発生の初期段階で相談に訪れた契約者に対しては、柔軟に対応してくれることが多いです。毎月の返済を減らすリスケジューリングや、支払いの一定期間の免除を受けられることもあります。

(2)通常の不動産売買で売れないか確認する

任意売却はオーバーローン状態、すなわちローン残高より売却価格が低い場合の売却方法です。つまり、ローン残高より高く売れるのであれば、任意売却は必要ありません。猶予の相談と同時に一般の不動産会社の査定を受けてみましょう。

なお、不動産会社の査定は会社によって数十万円以上差が出ることもあります。査定の精度を高くするため、複数社の査定を積極的に利用してみてください。

(3)個人再生ができないか確認する

状況によっては、個人再生によって家を売却せずに済む可能性もあります。

個人再生は、裁判所の債務整理の手続きの一つで、利用すると債務の額を大きく圧縮できることがあります。個人再生には住宅ローン特則と呼ばれる制度があり、この制度を利用すると、住宅ローンの返済と自宅はそのままに、他の債務を大幅に削減できます。住宅ローン以外にも借金があり、多重債務状態に陥っている場合などに利用されることが多いです。

ただし、圧縮後の債務は原則として3年で完済できるよう金額を調整されますので、月の返済額は一時的に増加することが多いです。この点には注意してください。

3.こんなときは任意売却ができない

任意売却は、どのような場合でも着手できるわけではありません。状況によっては売却が不可能なケースもあります。

(1)債権者の同意が取れない

債権者が任意売却に同意しない場合、抵当権が解除されないため売却はできません。債権者が任意売却そのものに非協力的な場合もありますし、最終的な売却価格で同意が取れないこともあります。

こういったケースに備え、売却は任意売却の実績を豊富に持つ専門家に依頼することが大切です。経験豊富な専門家が、任意売却の交渉と価格面での根回しをしっかりと行うことで、同意が得られないことによる失敗の確率を大幅に下げることができます。

(2)共有者(共同名義人)が同意しない

不動産を夫婦で所有している場合などは、自宅に二つ以上の所有権が設定されていることがあります。このような場合、一人が売却を希望しても、もう一人の所有者(共有者)が拒否すると売却はできません。

共有名義の不動産の任意売却で、共有者同士の関係が悪化している場合は、第三者による適切な仲介が重要なポイントとなります。

(3)競売の期限まで十分な期間がない

任意売却は競売と同時進行することがほとんどです。そのため、債権者の一存で競売の取り下げができる期限までに売却できなければ、自宅は競売で売られてしまいます。

任意売却では、交渉と売却活動の期間をある程度確保しなければなりません。そのため、期限に間に合うよう早めの相談が大切です。既に裁判所からの書類が届いている状況だと、一刻の猶予もありません。

(4)所有者の同意が取れない

当社の場合、自宅の所有者ではなく、子や親など、ご家族やご親族の方が相談に見えることもあります。ご家族からの相談も可能ですが、売却には所有者の方の同意が必要となります。所有者の方が任意売却を望んでおらず、同意が取れない場合は売却できませんのでご注意ください。

4.任意売却の相談はいつすればいい?

任意売却は競売の期日までに行う必要があるため、準備は早いほど望ましいといえます。特に、売却活動においては「不動産需要の高い時期に重なる可能性が高まる」「値引き交渉に強気に対応できる」など、期間に余裕があることによるメリットは大きいです。

参考記事:任意売却の期限はいつ?着手のタイミング・競売回避のための注意点を解説

債権者との交渉に着手できるのは、保証会社が「代位弁済通知」を行ってからですが、それ以前から、不動産会社に相談することは可能ですので、早めに準備を始めておきましょう。

5.まとめ

今回は、任意売却のスケジュール、着手前にやるべきこと、任意売却ができないケースと対処法などについて解説しました。

任意売却のスケジュールは、一般的な不動産売却と異なる点も多いです。不動産会社からも一通り説明はされますが、どのような流れで進行するか自分でも把握しておくとよいでしょう。

当社の初回相談では、現在の状況やご希望を丁寧にヒアリングします。

「滞納や競売の手続きがどのくらい進行しているか」「どのような形での解決を望まれるのか」「住み続けたいのか・売ってしまって良いのか」など、状況を詳しくお伺いした上で、任意売却を含めた選択肢の中から適した解決方法をご提案致します。

任意売却は早めの着手が重要です。当社では「任意売却するかどうかもまだ決めていない」という段階での相談も受け付けております。ローンの滞納で不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

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