住宅ローンの一括返済を求められる理由と対処法・相談先も紹介

住宅ローン

住宅ローンの返済を長期間に渡り滞納していると、金融機関から一括返済を求める通知が届く場合があります。「分割払いの契約なのに、なぜ一括返済を求められるのか」と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、住宅ローンの一括返済はどのような場合に請求されるのか、一括払いを求められた場合はどのように対処すればよいのかについて解説します。

1.住宅ローンの一括返済を求められる理由とは

そもそも、住宅ローンの一括返済を求められるのはどのような理由によるものなのでしょうか。

典型的な理由について具体的に説明します。

(1)住宅ローンを3か月以上滞納した

一括返済を求められる理由として件数が多いものの一つが、住宅ローンの返済の滞納です。1か月滞納しただけで即一括返済の請求が届くのは稀で、一般的には3か月以上無断で滞納した場合に一括返済の請求対象となります。

(2)住宅ローンで購入した家を賃貸に出した

住宅ローンで購入した家を無断で賃貸物件として運営すると、金融機関から一括返済を求められることがあります

「購入した家をどのように利用しようと所有者の自由では?」と思われるかもしれませんが、金融機関のローン商品には資金使途が定められています。住宅ローンの借入金は「居住用の住宅の購入」に利用することを条件に利率が低く設定されているため、返済中に賃貸に出すことは原則として認められません。

ただし、金融機関によっては、事前に相談したり、条件変更に応じたりすることで、賃貸住宅にできるケースもあります。どのような対応になるかは金融機関によって異なります。

(3)借入金を不正利用した

住宅ローンの借入金を不正利用した場合も、その事実を金融機関に知られると一括返済を求められます。

ここでいう不正利用とは、主に以下のような利用法を指します。

  • 住宅ローンの借入金を事業の運転資金に流用する
  • 借入金の一部から子供の教育資金を捻出する
  • ギャンブルの借金を住宅ローンで返す

住宅ローンは、前述した通り、住宅の購入に充てることを条件として契約するため、異なる使途への流用は契約違反となります。悪質な場合は、刑事事件に発展し、詐欺罪が成立する可能性もあります。

(4)住宅ローン返済中の家を売却するとき

契約違反ではありませんが、住宅ローン返済中の家を売却したい場合も、ローン残高の一括返済が必要です。

法律上は、金融機関の抵当権が付いている物件でも売買することは可能です。しかし、実際は抵当権付きの家を欲しがる人は少ないため、実質的には抵当権の解除(一括返済)は必須となっています。

代金で一括返済できれば問題なく売却できますが、代金がローン残高に満たない場合は原則として貯金などからの不足分を補填する必要があります。

2.金融機関が一括返済を要求できるのはなぜ?

そもそも「金融機関が一方的に一括返済を要求できるのはなぜ?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。これは、ローン契約時に金融機関と締結した契約内容に理由があります。

(1)住宅ローンの分割返済と期限の利益

住宅ローンに限らず、ほとんどのローン商品には「期限の利益」が設けられています。これは、簡単にいうと分割返済できる権利のことです。「事前の約束通り、遅れずに借入金を返済していれば、所定の期限まで返済を待ってもらえる」という趣旨のものです。

つまり、住宅ローンで分割返済が認められているのは、期限の利益があるからです。

(2)一括返済を要求できるのは期限の利益を失ったから

住宅ローン契約には、期限の利益を失う要件について定められています。この要件に該当してしまうと、一括返済請求の対象となります。前述したローンの滞納や不正利用などは、その代表例です。

期限の利益を喪失すると、金融機関から「期限の利益の喪失通知」が届きます。この書面が届いた後でも一括返済できるというケースはごく稀で、ほとんどの場合、競売手続きへと移行します。

(3)期限の利益を失うのはどのような場合?

金融機関によって細かい違いはありますが、一般的には、以下のような場合に期限の利益を失うと規定されています。

  • 債務の履行(ローンの返済)を遅延したとき
  • 裁判所が介入して債務整理を行ったとき
  • 担保物件の差し押さえや競売手続きが始まったとき
  • 振出手形の不渡りがあったとき
  • 不正利用が発覚したとき
  • 反社会勢力との関係が発覚したとき

特に件数が多いものとして、ローン返済の遅延、債務整理、差し押さえなどが挙げられます。

3.住宅ローンの一括返済を求められたときの対処法

実際に住宅ローンの一括返済を求められたら、取れる対応は限られています。住宅ローンの一括返済の通知が届いた場合の対処法について説明します。

(1)放置するといずれ家が競売にかけられる

一括返済の通知が届いた場合、そのまま放置するのは危険です。放置すると、一括返済の請求後は住宅ローン債権が保証会社に譲渡され、担保物件を競売で売却することにより債権を強制的に回収されてしまうからです。

競売は、裁判所の手続きによって債権を回収するためのオークションです。売却価格が安い、スケジュールの調整ができないなど所有者に対するデメリットが多い売却方法なので、できる限り避けるべきです。

(2)任意売却で競売を回避する

一括返済の請求が届いた際、競売を回避するためには、任意売却という方法があります。任意売却は、家を売却するという点は競売と共通していますが、以下のようなメリットがあります。

  • 売却価格が競売より高い
  • スケジュールの調整ができる
  • 売却代金から諸費用を捻出できる場合がある
  • 住み続けられる場合がある
  • 外部に経済状況を知られにくい

(3)個人再生で家を残す

裁判所の債務整理手続きである個人再生を利用すると、家を残して債務を大きく圧縮できる可能性があります。

個人再生では、事前に作成した再生計画に基づいて返済を行うことで、最大8割程度の債務をカットできます。住宅ローンだけを整理の対象から外し、家を残して借金を減らす「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という制度も用意されています。

ただし、手続きができるのは代位弁済から6か月以内です。利用するのには条件が設けられているため、利用できるケースは限られますが、「多重債務を抱えているけれど、今の家に住み続けたい」という場合などに有効な手段だといえます。

4.一括返済を求められた場合の相談先

一括返済の通知が届いた際の対処法について説明してきましたが、どれも自分の力だけで解決するのは難しいのが現実です。そのため、手続きを依頼できるパートナーが必要となります。

(1)相談先の選び方

住宅ローンを返せない場合の対策として第一候補となるのが任意売却です。任意売却には「宅地建物取引業」の許可が必要なので、不動産会社に相談する必要があります。法律事務所や金融機関に相談しても、提携の不動産会社を紹介されることになるため、二度手間になってしまいます。

ただし、大手の不動産会社や地元密着の会社の場合、任意売却の専門知識やノウハウが不足しており対応できないことも多いです。そのため、住宅ローンの滞納問題に精通していて任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社を選ぶことが重要なポイントとなります。

具体的な探し方としては、インターネットで検索して任意売却の実績を持つ不動産会社を探し、公式サイトに掲載されている実績の内容などを確認することをおすすめします。その上で、実際に話を聞いて、信頼できる会社かどうかを見極めるとよいでしょう。

(2)避けるべき会社や悪徳業者の特徴

ただし、インターネット上には悪徳業者も少なくないため、相談先選びは慎重に行う必要があります。任意売却の業界には、経済的に困窮した人を狙う悪徳業者も存在します。残念ながら、このような会社を完全に見抜いて回避することは難しいです。しかし、避けた方が良い悪徳業者には、以下のような共通点が存在します。

  • 仲介手数料以外に相談料など他の費用を請求する
  • その場での契約を執拗に迫る
  • 引っ越し代で釣って依頼を取り付けようとする
  • 正当な理由なく一般媒介での契約を嫌がる
  • リスクやデメリットなどについての説明をしない

上記以外では、公式サイトに宅地建物取引業免許番号が載っていない会社も避けて下さい。手数料を目的とした業者紹介窓口の可能性があり、説明や相談の二度手間になってしまいます。

5.まとめ

住宅ローンの契約では、数か月に渡り滞納を続けた場合や不正利用が発覚した場合など、いくつかの要件に該当すると一括返済の請求対象となります。一括請求を求められても支払えないために、そのまま放置した場合、競売で家を売却されることになります。競売を避けるためには、金融機関から「期限の利益の喪失通知」が届いた後は、可能な限り早めに対策を打たなければなりません。

当社は、住宅ローン滞納問題を専門的に扱い、任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社です。ご相談者様のご希望や状況を丁寧にお伺いした上で、最適な解決方法をご提案し、多くの方の再スタートをサポートしてきました。

「住宅ローンの一括返済を求められたけれど、どうすればいいかわからない」「住宅ローンの支払いを滞納してしまい、支払いが難しい状況だけれど、今の家に住み続けたい」などというご相談にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

寺島 達哉
寺島 達哉

クラッチ不動産株式会社主任。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室相談員。帝塚山大学を卒業後、不動産賃貸仲介会社を経て現在に至る。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった方にとっての最善の解決(任意売却・親族間売買・リースバック等)に向けて日々奮闘中。
所有資格:任意売却取扱主任者/宅地建物取引士/相続診断士/賃貸不動産経営管理士
監修者: 寺島 達哉

「払えない」「住み続けたい」今すぐご連絡ください! 任意売却・リースバックの無料相談はこちら

0120-279-281
24時間受付 メールでのご相談はこちら