ペットがいる家の任意売却の注意点と対策を解説

ペット

ペットと生活している場合、任意売却を検討する際にさまざまな不安に直面します。「任意売却するとペットと暮らせなくなるのではないか」「ペットを飼っていると家が売れないのではないか」などという相談を受けることも多いです。

実際のところ、任意売却に際し、ペットを飼っていることでどのような問題が発生するのでしょうか。この記事では、ペットを飼っていて任意売却を検討している方に向けて、具体的な問題点と対策について解説します。

1.任意売却したらペットと別れる必要はある?

任意売却に際してペットを飼っている方の多くが不安に感じるのは「今まで通りペットと暮らすことができなくなるのではないか」「ペットと別れなければならないのか」という点です。結論からいうと、任意売却が理由でペットとの離別を強制されることはありません。その理由について詳しく説明します。

(1)ペットを差し押さえられることはほぼない

任意売却は競売と同時進行することもあるため、「ペットも差し押さえられて競売にかけられるのでは」と不安を感じる方もいらっしゃるようです。結論からいうと、ペットは民事執行法上の差押禁止動産には該当しないため、理論上は動産の一種として差し押さえることが可能です。

ただ、成長した動物は市場価値がつきにくいなど、財産として売却するには問題も多いため、実際に差し押さえの対象となるケースはほとんどありません。

参考:民事執行法第百三十一条|e-GOV法令検索

(2)ペット可の賃貸が見つかれば一緒に暮らせる

基本的にペットが差し押さえ財産の対象となることはないため、問題となるのは、任意売却後にペットと住める引越し先が見つかるかどうかという点です。ペット可の賃貸住宅が見つかれば、今まで通り一緒に暮らすことができます。

ただし、ペット可の賃貸住宅は数が少ないのが現状です。満足できる物件を見つけるためには、時間をかけて引っ越し先を吟味しなければなりません。

(3)里親を探さなければならない場合も

引越し先として満足できるペット可の賃貸住宅が見つからないのであれば、引っ越すまでにペットの里親を探さなければなりません。

すぐには里親が見つからない可能性がありますので、複数の媒体に情報を掲載し、責任感ある里親を見つけられるよう、余裕を持って募集する必要があります。里親を探すには、たとえば以下のような手段があります。

  • タウン誌や新聞の里親募集コーナーに掲載する
  • 保護団体の里親会に参加する
  • 里親募集サイトに掲載する
  • 知人や友人に相談してみる

(4)ペットのために今の家に住み続ける方法も

ペットのために環境を変えたくないのであれば、任意売却後も今の家に住み続けることを検討してもよいでしょう。
今の家に住み続ける方法としては、リースバックと親族間売買という方法があります。

①リースバック

家の購入者を貸主として賃貸借契約を結び、売却後に賃貸住宅として家に住み続ける方法です。売却後は家賃の支払いが生じますが、税金や管理費など、各種経費の支払いが免除され、将来的には家を買い戻せる可能性があります。

リースバックについては、以下の記事で詳細を解説しています。

参考記事:リースバックとは?メリットとデメリット、注意点も解説

②親族間売買

親族間売買は、不動産を他人ではなく、親戚や家族に売却する方法です。売却相手である親族と事前に合意することで、売却後も無償・有償で住み続けられます。

親族間売買の中でも特に多いのは、親が子に買い取りを依頼する親子間売買です。親子の間で「我が家を残したい」という気持ちや方針が一致していると、スムーズに実現する場合が多いです。ただし、資金調達が難しい、子が住宅ローンを背負うことになるなど、デメリットも存在します。

親族間売買については、以下の記事で詳細を解説しています。

参考記事:親族間売買とは?メリット・デメリットと注意点を紹介

2.ペットがいると売却価格は下がるのか?

ペットと一緒に暮らしている家を売却する場合に、問題となるのが、家の売却価格の低下です。実際のところ、ペットの存在は家の価格にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

(1)ペットの存在による売却価格への影響

不動産市場において、ペットの存在自体が家の売却価格に影響を及ぼすことは少ないといえます。直接的に売却価格に影響するのは、ペットによる家の破壊や汚損です。

例えば、ペットの体臭や糞尿による悪臭が家に染みついていると、業者に依頼してクリーニングを行う必要があります。壁や柱などに大きな傷があるなら、修繕しなければなりません。

このような費用がかかる分、「人気がなく、価格を下げなければならない」「施工費用分の値引きを要求される」などという事態は考えられます。

(2)高値で売却するためのポイント

前述した通り、ペットの飼育によって家の価格が下がるのは、ペットによる家の汚損が影響するためです。すなわち、家へのダメージを抑えられれば、価格の低下は最小限となります。

基本的なことですが、糞尿の処理を適切に行ない、ストレスを溜めて家を破壊することがないよう適切な飼養を行うことが大切です。大型の鳥類や爬虫類などのしつけが難しいペットは、ケージに入れるか部屋を養生することでキズや汚れを抑えられます。

既に汚損がある場合、DIYで対応できる範囲で、キズや汚れを修繕するのもよいでしょう。ホームセンターのDIYコーナーやネット通販で、修繕用の商品を購入できます。費用対効果の高い方法ですので、手先の器用さに自信があれば挑戦してみてください。

3.ペットの存在による任意売却の注意点

ペットがいても任意売却は可能ですが、ある程度売却の進行に影響することがあります。具体例を見てみましょう。

(1)買い手がつきにくくなる

ペットがいることで部屋が汚損されている場合、別途修繕が必要となり、買い手から敬遠されることがあります。

特に、任意売却の売買契約では「契約不適合責任の免責」特約が設定されることが多く、後から家の損耗が発覚しても買主は補償を受けられません。そのため、明らかな傷や汚れがある場合は売れにくくなることも考えられます。

また、アレルギーを持つ家族がいる世帯は、犬や猫などを飼育している家を候補から除外する場合もあります。

参考記事:任意売却で買い手がつかない理由は?典型的な原因と対策を解説

(2)引越し先探しが難航する可能性がある

ペットを飼っていると、引越し先探しが難航する可能性もあります。賃貸住宅でペットの飼育を許可している物件は少なく、条件に合う引越し先がなかなか見つからないこともあるでしょう。

ペット可の物件の中には、建物が古い、交通の便が悪いなど、一般的に需要の低い物件も多いです。「ペット可」とすることで入居者を募っていることもあるため、他の条件にこだわると、引越し先がなかなか決まらないという事態に陥ることも少なくありません。

また、ペット飼育可としている物件では、入居時に敷金や礼金の積み増しを求められるのが一般的です。経済的な理由からも、自分に適した新居が見つからないこともあります。

通常の物件と比べ、条件の合う引越し先を見つけるのに時間がかかることが多いため、任意売却の準備と同時に、引越し先の検討を始めたほうが良いでしょう。

4.今の家に住み続けたい場合の相談先の選び方

引越しによるペットへの影響が心配な場合や、子どもを転校させたくない場合など、今の家に住み続けたいというご希望をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。その場合、相談先はどのように選べばよいのでしょうか。

(1)任意売却に詳しい会社が最適

前提として、相談先は任意売却に詳しい不動産会社が最適です。

第一に、任意売却を行うには宅地建物取引業の登録が必要です。弁護士などに相談しても、結局は不動産会社が担当することになります。

また、今の家に住み続けたいなら、任意売却の知識・経験を豊富に持つ不動産会社の助けが必要です。親族間売買かリースバックのいずれの方法を取るにせよ、任意売却と組み合わせることがほとんどだからです。

(2)地元や大手の不動産会社に頼める?

不動産に関する相談先としてまず候補に挙がるのが、地元や大手の不動産会社ではないでしょうか。確かに、こういった会社は不動産の売買や賃貸管理のプロですが、多くの場合、任意売却の知識や経験は不足しています。

任意売却は通常の不動産売買と比べ、調整や交渉、追加の業務が多く、不動産会社にとっては手間のかかる仕事です。そのため、一般的な不動産会社はあまり手掛けていません。

任意売却の相談先を探すのであれば、インターネットを駆使して探すことをおすすめします。ただし、悪徳業者には注意しなければなりません。

(3)悪徳業者の存在に注意

任意売却の業界には、いわゆる悪徳業者と呼ばれる業者が少なくありません。悪徳業者に依頼してしまうと、任意売却に失敗される、お金をだまし取られるといった被害にあう可能性があります。

例えば、以下のような特徴のある会社は、悪徳業者の可能性が高いです。

  • 引っ越し代の確約や高額(30万円超)の捻出を約束する
  • 相談時点で「相談料」「コンサルタント料」などの費用を請求する
  • 初回相談で依頼の即決を強要する

任意売却の相談先の選び方や注意点については、以下の記事に詳しく記載しましたので、参考にしていただければと思います。

参考記事:任意売却業者の選び方・悪徳業者の特徴も紹介

5.まとめ

任意売却をしたからといって、ペットと別れる必要はありません。ただし、引越し先探しが難航した場合、ペット可の物件が見つからず、里親を探さなければならないこともあります。

任意売却は競売の開札期日がデッドラインとなるため、タイムリミットが決まっています。余裕をもって任意売却を行い、引越し先を探す時間を十分に確保するためには、実績・知識の豊富な任意売却の専門会社に早めに相談することが重要です。

当社は、多くの任意売却を手掛けてきた住宅ローン滞納問題を専門的に扱う不動産会社です。3,000件以上の実績に基づく知識と交渉力で、相談者様のご希望を丁寧にお伺いした上で、任意売却後の生活まで見据えて、最適な解決方法をご提案します。「任意売却後もペットと一緒に今の家に住み続けたい」等のご希望をお持ちの方も、ぜひお気軽にご相談ください。

井上 悠一

クラッチ不動産株式会社代表取締役。一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室代表理事。立命館大学法科大学院修了。司法試験を断念し、不動産業界に就職。住友不動産販売株式会社株式会社中央プランナーを経て独立、現在に致る。幻冬舎より「あなたを住宅ローン危機から救う方法」を出版。全国住宅ローン救済・任意売却支援協会の理事も務める。住宅ローンに困った方へのアドバイスをライフワークとする。
監修者: 井上 悠一

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